fanfiction
May 27, 2013
随分前に書いた妄想物語ですが(笑)
妄想?暴走?物語をお送りしたいと思います。
内容は、Jenniferの誕生日に書いた時のものですので
テーマはクリスマス?の頃になりますか。
でもあえて無修正でお送りいたしました。
って、そこのアナタ、違うこと考えたでしょう?(爆)
残念ながら、ソッチ系ではありませんwwwww
ま、文句もありましょうよ(笑)要望は受け付けますが、クレームは受け付けませんので
悪しからず(笑)
ではでは、すこーし涼しい気持ちになってご拝読くださいませませ。
(と、言いつつ。久しぶりに自分の文章を読むと、こっぱずかしくて熱くなりました。爆)
pikari
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
普段より一段と慌ただしい朝を、Laurelは迎えていた。
・・・彼女から連絡が来たのは、先週の事だ。
『主人が来週から出張でパリに行くの。だから君の誕生日パーティには残念だが、
出席出来ないって。』
彼女の声は、いつもより饒舌に弾んでいた。
『少し残念なトーンで私、言ったのよ。あなたがいないなら、私もつまらないから友達のうちで
パーティして貰うわって。』
勝手に決めてしまうところがまた、彼女らしい。
Jenniferに気付かれないよう、受話器をほんの少し手で押さえ、Laurelは笑った。
『そしたら主人もホッとした声で言うのよ。それもいいんじゃないか、って。』
受話器の向こうから、彼女の笑い声が聞こえる。
今年も一緒に過ごせる喜びが、二人を包む。
柔らかい日差しが、 部屋全体に優しく落ちる。
大変!思い出し笑いしている場合じゃなかった!
Laurelは小さく瞬きをして、立ち上がる。
まだ部屋の片付けが終わっていないのだから。
個展の為、留守がちだった彼女の家。
シッターさんが、必要最低限の事はしてくれている。
でも・・・彼女が来るのだもの。
そんな事なら、出掛けるか、彼女の家に変更して貰うんだったなと、Laurelは小さな溜息をついた。
昼過ぎ。玄関のチャイムが鳴る。
子供達が我先へと駆け出してゆく。
逸る気持ちを抑えながら、インターフォンの受話器を上げる。
涼しげな笑顔で立つ、彼女の横顔がカメラに映し出される。
まるで撮影モニターのようだな、とLaurelは小さく笑った。
子供達に開けられ、ダイニングにやってきたのは、彼女だけだった。
『いらっしゃい。・・・あれ?子供達は?』
『娘を連れて、すぐアトリエに行くっ!て、出て行っちゃったわよ。』
柔らかな風と共に、子供たちのはしゃぐ声が 微かに聞こえた。
『・・・これ。ワイン買ってきたわ。』
Jenniferがテーブルにそっと置く。
腕まくりをしながら、『何か手伝おうか?』と声をかける。
『ううん、大丈夫。それより、、、』
『何?』
『よかったの?私達だけで。みんなを呼んで、盛大にした方が、、』
ふと、腰に優しい感触が走る。
温かい、しなやかな手がLaurelを包む。
『あなたがいれば、それでいいに決まっているでしょう?』
彼女は、わざと耳元で囁く。
Laurelの耳が 赤くなるのを知っている癖に。
『危ないわ。包丁持ってるんだから。』
交わすように、Laurelはわざと彼女の腕から逃れ、そして振り返り、笑った。
持て余してしまった手をカウンターに付き、Jenniferは少し不満そうな目を向けた。
そして、続けてこう切り出した。
『今年のクリスマスは、一緒に過ごせそうにないの。』
キッチンにナイフを置き、Laurelは彼女を見つめる。
沈黙が二人を包む。
『夫がね、誕生日は別々だから、クリスマスは一緒に過ごそうって。』
その言葉にLaurelは思わず目をつぶった。
窓からすり抜けてきた風が、小さくカーテンを揺らし、木漏れ日を揺らす。
そして、再度Laurelの手首をしなやかな指が彼女を捉えた。
『怒って、、、るの?』
Jenniferが呟く。黙ったまま、Laurelは首を横に振った。
『ただ、、、やっぱり辛い』
絞り出すように、彼女が口を開く。
つぶっていた目を開けると、その目にはうっすら光るものが揺れていた。
『泣かないで、、、』
彼女を引き寄せ、そっと抱き締める。
二人の影が、より小さく細い一つの塊になり、キッチンに優しく揺れた。
May 23, 2012
Happy birthday Laurel *+:。.。:+* ゜ ゜゜
ま、翻訳してもきっとこれは読めないだろうし・・・(笑)
今日5/23は、Laurelのお誕生日です(*・∀-)
てことで、今年も行ってまいりましょう!勝手な妄想物語(笑)
今回は、ちょっくら前回の妄想物語と被らせて作っておりますので、
もし読んでもシックリこない方は、合わせてこちらもご覧になってみてくださいね
前回作 ⇒ Laurel Holloman fan blog ♪Love my Life♪
☆*゚ ゜゚* *+:。.。:+* ゜ ゜゜ ☆*゚ ゜゚* *+:。.。:+* ゜ ゜゜ ☆*゚ ゜゚* *+:。.。:+* ゜ ゜゜ ☆*゚ ゜゚* *+:。.。:+* ゜ ゜゜
・・・まだ日も昇らぬ暗い道。
ヘッドライトを付け、車を一人走らせる。
誰もいない、渇いた駐車場に車を止めエンジンを切る。
ドアを開けると、少しひんやりとした風が、彼女の髪を撫でる。
薄ぼんやりとした道を一人、確かめるようにゆっくりと歩いてゆく。
砂浜に少し足を取られつつ、波の音を聞く。
波打際が穏やかに聞こえるのは、この時間だからだろうか。
いつもより少しだけ波音に寄り添いながら、Laurelは砂浜を踏み締める。
顔を上げると、さっきまで薄暗かった海が、朝焼けで少しずつ赤紫に変わっていた。
その場所に一人、彼女が座っていた。
あの日教えた秘密の海岸。
足音は確かに彼女の耳にも届いている筈なのに、彼女は静かに海を見ている。
黙ったまま、Laurelは彼女の隣に座った。
静かな時間(トキ)が二人を包む。
最初に静寂を破ったのは、Jenniferのほうだった。
『一緒に朝焼けを見たのは、The L Word の撮影以来ね。』
小さく笑うLaurel。そしてこう呟いた。
『山城での撮影は、本当に眠かった・・・。』
『そうね・・・。』
海を見たままJenniferが呟いた。
『…でも、あの日は複雑な気分だった。』
『どうして・・・?』
Laurelは、Jenniferを見つめる。
横顔が少しずつ朝焼けに染まってゆく。
その美しさに、しばし、ぼんやりと見とれる。
すると、落とした視線をこちらに向けながら、Jenniferは波のように静かに口を開いた。
『撮影が終わってしまったら、あなたも失ってしまいそうに思ったからよ。』
彼女から視線をそらし、寂し気に小さく笑うLaurel。
『それは私も同じよ…』
Jの腕が彼女を引き寄せる。正真正銘の、誰もいない海岸。
この世の終わりのようで、また始まりのようにも感じる、不思議な空間。
ふと、Jenniferの視線が海に戻った。
『見て。日が昇って来た・・・』
誘われるがままに、Laurelが目線を上げた。
確かに遥か遠くに見える地平線から、眩しい光が差し込んでいる。
Jenniferの握りしめた手を、肩で感じる。
そして、居心地の良い場所を求め、Jenniferの肩にもたれ掛かった。
『今日は、あなたが初めて光を見た日。誕生日おめでとう。』
Jenniferは彼女の柔らかい髪を撫で、そこにそっとkissをした。
October 25, 2011
Season7-6
お待たせいたしました(笑)
・・・今回は頑張って、書いてみましたよ。
あれ?もう、忘れかけてますか?やっぱり遅い?
Season7-6です(笑)
やっぱりパリパリ、予定以上にepが増えそうな予感・・・(^▽^;)
みんなが飽きなければ。
pikariが飽きなければ(爆)
前のep忘れちゃったよっていうそこの貴女。
パソコンのトップページの左下にいってもらうと、Categories(カテゴリー)と
いう欄があります。そこに分けてありますので、そこから入って思い出しつつ
読んでいただけると嬉しいです。
ではでは、、、お楽しみ下さいマセマセ(*ノ∀`*)ゞ
☆*゚ ゜゚* *+:。.。:+* ゜ ゜゜ ☆*゚ ゜゚* *+:。.。:+* ゜ ゜゜ ☆*゚ ゜゚* *+:。.。:+* ゜ ゜゜ ☆*゚ ゜゚* *+:。.。:+* ゜ ゜゜
『・・・そういう訳で、越す事になったからさ。』
Shaneに告げ、Aliceは勢い良く受話器を置いた。
満足げなその表情からは、うっすらと笑みか零れている。
亜美の部屋には、トランクに詰めただけのAliceの荷物が転がっていた。
Aliceは、彼女が学校に行ってる隙を見て、Bette達の家を行き来していた。
呆れるBetteをよそに、涼しげな面持ちで執筆活動を続けていた。
『気持ちが落ち着いたのなら、一度帰った方がいいんじゃない?』
という、Tinaの助言にも耳を貸そうとしない。
ライターは、どこにいても出来る。だからこの職業を選んだのだ。
『さてと。少しは整理でもしてあげますか。』
満足げな顔でAliceは立ち上がり、美味しそうに、残りのエスプレッソを飲み干した。
〜LA。
Aliceの電話を受け、Shaneは少し浮足立っていた。
その足でプラネットへと向かう。
と、入り口近くでKitとぶつかりそうになった。
『おぉっと!危ないわよ、あらっShaneじゃない。』
『ゴメンKit。・・・で、聞いた?』
『もちろん。』 笑顔のままKitが答える。
『Aliceから』
同時に発したその台詞に、二人がまた爆笑した。
『ところで、Jennyは?来てない?』
シャツをくしゃくしゃと掻きながら、Shaneが尋ねる。
『朝来たわよ。なんだか忙しそうに電話で打ち合わせをしてたけれど。』
『そっか。 あ、Helenaは?まだ休んでるの?』
『まだ。でも大丈夫よ。Dylanがついてるから。』
『お見舞い・・・行ったら邪魔になるかな?』
『そんな事ないわよ。退屈してると思うから、時間があるなら行ってあげて。』
Kitを呼ぶ声がキッチンから聞こえる。
『じゃ、お嬢ちゃん。良い一日を。』
『ありがとう。Kitもね。』
サラダボールを持ったまま、ウインクをしてKitが立ち去った。
仲間が誰もいないプラネット。
そんな日がTibetteがいなくなってからは、やはり多くなった。
みんな、変わっていくんだよな・・・。
カフェラテを1人飲みながら、成長していない自分をラテ越しに見つめる。
その影は頼り気なく、揺れている。
携帯を取り出し、壁紙をじっと見つめる。
肩を組み、とびきりの笑顔で笑うShaneと Shay。
ふと、プラネットにひと際大きな風が店内を横切る。
・・・よし。
力強く立ち上がり、Shaneは自宅へと駆け出した。
〜NY。
会議室。ペン先を口元に当て、Tinaは考えこんでいた。
机の上を、柔らかなtouchで指先を滑らせる。
役員会議で可決されるのは間違いない。
・・・新たな経営者としての責任。
ペンを置き、顎に手を当てたまま、考えこむ。
心地好い風が開いた窓から滑り込み、無造作に置かれた書類の間をパタパタと揺らしている。
NYに来て、約2年。
嬉しい気持ちはあったが、ここに来てからの充実した日々を思うと、不安も過ぎった。
でも決めた事だ、やるしかない。
『私は大丈夫。』
ふうっと息を吐き、乱れた書類に手を伸ばす。
その視線の先には、笑顔でTinaを見つめる母子の写真があった。
夕食の献立を考えながら、Betteは一人暗い影を落としていた。
夕暮れ前のスーパーは、主婦で一杯だ。
食材を、カートの中のカゴに乱雑に入れてゆく。
娘の今後が気掛かりだった。
もちろん、今迄も考えなかったわけではない。
いつかはぶつかるであろう、偏見という壁。
『考えたって仕方ないじゃない。起こってしまった事実に対して私達は向き合った。
あとは彼女に任せる。そう決めたんだから。』
楽観的に話すTinaにも、少々腹が立った。
でも彼女が正しいのもわかっている。
商品をカウントするレジ音が、響く。
『・・・・です。』
Betteは深いため息をつく。
財布の中で笑う、娘の写真がいつもより切なく映った。
と、店員が少し小さな声で尋ねてきた。
『足りないなら、どれか返品しますか?』
その声でハッと我に返り、Betteは厳しい顔のままこう答えた。
『いえ、平気よ。お金も、うちの子も。』
October 14, 2011
Season7-5
お待たせいたしました・・・。
Season7-5を書き上げました(笑)
ちょっとーpikari!!
毎回毎回 間が開き過ぎて、前のep忘れちゃったよっていう、そこの貴女。
ホントごめんなさい(T∀T)
パソコンのトップページの左下にいってもらうと、(携帯だと一番下かな?)
Categories(カテゴリー)という欄があります。
そこにSeason7の各epがありますので、そこを読んで思い出しつつ
新作epを読み進めていただけると嬉しいです。
ではでは、、、(*ノ∀`*)ゞ
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〜NYの夜。
人通りの多い道を抜け、薄暗い小道を走らせる。
雨がパラパラと降り始め、軽くワイパーを動かす。
昼間の出来事をTinaは思い出していた。
会議室。神妙な面持ちで、役員たちと話すTina。
それは数年前から動き出しているプロジェクトだった。
そこに自分が関わってくるとは、当時の自分には想像も出来ないことだったが。
取締役、就任。
悪い話ではない。ただ・・・
また転勤となると話は違ってくる。
とりあえず、現段階では、株主総会の正式な日にちは確定しない事だけを
役員たちにお願いし、席を立った。
・・・Betteには どう話そう。ここのところ考えていたのはそれだった。
飛沫の音が大きくなる前に、明るい玄関が見えてきた。
車から降り、雨を避け少し背を丸めたまま、Tinaは玄関へと向かった・・・。
早朝。
あの日以来、亜美は執拗に追いかけてくる。
勢いで寝てしまった自分に後悔する日々をAliceは過ごしていた。
そんなことを知ってか知らずか、亜美は隣ですやすやと眠っている。
このまま、逃げ出してTina達の家に帰ろうか。
寝癖のついた前髪を何度も整え、そのまま顔をなぞる。
と、亜美が目を覚ました。
『起きたの?・・・早いね。今日はどこに行きたい?』
両手を天に上げ、背伸びをする。
可愛らしい素顔だ。国籍の違いからだろうか、実年齢より随分と若く見える。
『とりあえず、朝食を食べに行こっか。』
・・・Shaneの事、言えないな。
小さく苦笑いをして、Aliceは胸にシーツを巻いたまま、散らかった服に手を伸ばした。
NYに住んで1年。その割には聞き取りやすい、流暢な英語を亜美は喋る。
小さなアパートに暮らす彼女は、現在大学生。
日本では外語大学に通っているらしい。
家族構成、友達の話、学校生活。
出会ったばかりの相手に 亜美は何でも話してくれた。
閉鎖的な日本のゲイ事情からは、想像をかけ離れた彼女のキャラクター。
サンドウィッチをほお張る時に出来る、えくぼが可愛い。
アイスコーヒーを飲みながら、Aliceはいつの間にか受身になり、彼女の声に耳を傾けていた。
〜午後。
校舎には、柔らかいオレンジ色の陽が落ちている。
いつもは賑やかに聞こえるであろう、子供たちの声は遠い。
冷たい教室。
『逃げるように、終わらせたくはないと思っています。』
Betteは重い口を開く。
担任のメガネが厭らしく光った。
『ただ、話し合って出した結果です。』
あの夜、深夜までかけて、二人で話した。
Tinaの転勤がこのような形で動き出すとは、Betteも考えていなかったが
それでも、半年後の異動は受けるべきだと合意した。
その移動先は・・・皮肉な事にLAだった。
Betteが静かに話す。
『とは言え、転校までにはまだ半年あります。
私達は、事態が悪化する前に改善策をとるべきだと思っています。
しかしこの件について、私達が子供たちの間に入って解決するカタチは取りたくありません。』
『放置するわけではなく、先生方の教育から、そして子供同士の話し合いによって
あの子はこれからの自分の立場を再認識し、そして強くなって欲しいと望んでいます。』
Tinaは、小さい机に差した陽の光を見つめながら、アンジーの笑顔を思い出していた。
『一度、子供たち同士で話し合う場を設けて戴けないでしょうか。』
足を組み返し、Betteは続けた。
『私達は、常にこの問題と直面して参りました。
それはレズビアンだから、という事だけではありません。
人種問題、格差社会等、差別というものが、世界中どの時代にも問題視されています。
だからこそ今のうちに、どんな人間にも無限の可能性がある、そして様々な環境や、
人間のあり方を素直に受け入れる心を教えて頂きたい。
その第一段階が、教育の場だと私達は考えております。』
小さく頷き、教師が静かに口を開いた。
『ご両親の思いは、よく解りました。
では、今度のホームルームでその時間を設けるよう、検討してみます。』
『よろしくお願いします。また転校の手続きについては、後日ご連絡いたしますので。』
ガラリと扉の開く音を立て、教師が入り口に立つ。
暗い廊下が、二人の影を更に長く伸ばしている。
Betteに続いて、Tinaが小さく一礼し、その場を後にした。
二人の後ろ姿に、迷いは消えていた。
July 16, 2011
Season7-4
お待たせいたしました(笑)
もう、忘れかけてますか?大丈夫ですか?
Season7-4です(笑)
今のところ、予定以上にepが増えそうな予感・・・(^▽^;)
みんなが飽きなければ。
pikariが飽きなければ(爆)
ちょっとーpikari!!
間が開き過ぎて、前のep忘れちゃったよ!!っていうそこの貴女。
パソコンのトップページの左下にいってもらうと、Categories(カテゴリー)と
いう欄があります。そこに分けてありますので、そこから入って思い出しつつ
読んでいただけると嬉しいです。
ではでは、、、(*ノ∀`*)ゞ
☆*゚ ゜゚* *+:。.。:+* ゜ ゜゜ ☆*゚ ゜゚* *+:。.。:+* ゜ ゜゜ ☆*゚ ゜゚* *+:。.。:+* ゜ ゜゜ ☆*゚ ゜゚* *+:。.。:+* ゜ ゜゜
Tibette達がNYに旅立って以来、Shaneは1人で過ごす時間が多くなった。
勿論彼女を放っておく人がいるわけもなく、多くの女性から声をかけられた。
しかし、Shaneの心はKitのあのセリフを聞いて以来、なびく事はなかった。
AliceがNYに遊びに行ってしまい、ますます自分の時間が出来るShane。
Jennyは相変わらず、執筆活動に勤しんでいる。
窓の外をキッチンの流しに腰掛けながら、ぼんやりと眺める日々。
静かな毎日だ。
表に子供たちの笑い声が聞こえる。
・・・・Shayは元気だろうか?
ふと、あの日一緒に暮らした短い時間を思い出す。
携帯を開き、Shayの映った写真を見つめながら、Shaneは小さく笑った。
『何、笑っているの?』
『Hi ・・・Jenny、どう?まだ終わらないの?』
『えぇ、佳境に入ったところ。あと少しよ。紅茶、入れるけどあなたも要る?』
『そうだね、貰おうかな。』
『何を笑っていたの?』
『ん?・・・あぁ(笑) Shayの写真だよ。』
気恥ずかしそうに、携帯をJennyに渡す。
『・・・寂しい?』
携帯をそっと返すJenny。
Shaneの横顔が、窓から挿す光の影に当たっている。
『・・・・そうだね。あの時は毎日が大変で、今思うともっと一日一日を大切にすればよかったなって思うかな。』
髪をくしゃくしゃと掻き上げながら、寂しそうに笑う。
『だったら、今からでもそう伝えればいいんじゃない?』
Jennyが優しく紅茶を注いでゆく。
その姿をShaneは、黙ったままぼんやりと見つめていた。
〜病院。
Helenaの入院が決まって以来、欠かすことなく毎日Dylanがやってきた。
何を会話するでもなく、当たり前のようにHelenaの食べやすいものを持ってきては
洗濯など、ひと通りのことを済ませてゆく。
そうして1週間が過ぎようとしていた。
最初はDylanの持ってきたものを、口にしようともしなかったHelenaだが
Dylanの献身的な看病と、ひたむきな愛情に少しずつ受け入れるようになっていた。
ある日、Kitが見舞いにやってきた。
『どう?調子は。随分顔色が良くなったようだけど。』
『心配かけてごめんなさい。まだ抜け出せないところはあるけど、でももうすぐ退院できるって。』
『心のバランスを取るのは難しいわね。私もあなたの気持ちが解るわ。』
HelenaもKitと同じ、アルコール依存症の一歩手前と診断されていた。
『Dylanは?来てるの?』
『今日は帰ったわ。』
『そうなの。ねぇ、Helena。そろそろDylanを許してあげたら?』
『・・・・・・。』
Kitは、Helenaが倒れたあの日の彼女の動向を、優しい口調で話した。
『あなた達は、通常では必要のない事まで経験してしまった。けれどそれでもあなた達は再会したの。そこに深い意味があるとは思わない?』
黙ったまま、Helenaは窓から見える晴れた空を見つめる。
雲が見つめ続けないと気付かないほど、ゆっくりと形を変えて動いていた。
『神は乗り越えられる者にしか、試練を与えないものよ。』
小さくため息をついて、Kitが笑った。
その目に小さな自分が輝いて映っていた。
〜NY。
夕食の買物に出かけようとしているBetteの元に、一本の電話が鳴った。
・・・学校からだった。
『お子さんの件で、お話があります。』
担任は、そう短く話し出した。
先日感じた小さな胸騒ぎがBetteの中で大きく揺れ始める。
担任の話によると、小さないざこざが教室内で起こっているという事だった。
『私どもはご両親のことも存じておりますし、偏見といったものは持っておりません。
しかし、子供たちの間では、違和感を持っているというのが現状です。』
『ありがとうございます。でももし、学校内で、解決できないのでしたら、私どもが伺っても構いませんが。』
Betteは戸惑いを少し含めた声で答えた。
『いえ、ご両親にお越し頂くことで、ますます状況が悪化する場合もございます。』
『学校側といたしましては、穏便に済ませたいというのが本音でして・・・』
奥歯に物が挟まったような言い方をする担任。
『では、私達にどうしろと仰りたいのですか?』
Betteはつい苛立ちを担任にぶつける。
『いえ、私どもといたしましては、このような事実があります事をお伝えしたまでの事で、学校側と致しましても、今後も出来る限り対処して参りたいと・・・』
曖昧な回答に、Betteは大きくため息をつき、電話を切った。
いつかやってくるかもしれないと思っていた事だった。
ソファーに腰掛け、車のキーをテーブルに置く。
・・・どうすればいいのだろう?
落ち込んでいる場合ではない。
Betteはすぐに立ち上がり、急いでTinaの携帯番号を押し始めた。
・・・・・・みんな、ゴメン。Tinaが全く登場してないよね(^▽^;)
(てか書いてる本人も、仕上がってから気付いたwww)
嗚呼、きっとガッカリしてコメント薄になるだろうな・・・(T∀T)
February 05, 2011
Season7-2
Season7-2。実は随分前に仕上がっていたのですが、
次を書いてから・・・と思いつつ、修正したりしているうち
なんだか、自分の中で読み飽きてきたので(笑)
掲載しちゃいます。
一度、Season6-8(ココはホンモノ) → Season7-1を
見てからの方が解りやすいかも。
では。
まずは皆さんにお楽しみ頂ければ光栄です。
補足は、最後に書くとします。
☆*゚ ゜゚* *+:。.。:+* ゜ ゜゜ ☆*゚ ゜゚* *+:。.。:+* ゜ ゜゜ ☆*゚ ゜゚* *+:。.。:+* ゜ ゜゜
ねぇ!ちょっと、スプーンどこぉ?!
全く。この家、前のキッチンと違って何処に何があるんだか、ちっとも解らないよぉ。
いつもの朝より賑やかなのは、突然のAliceの訪問があったからだ。
Betteは大きな溜め息を付き、アンジーの部屋から顔を出す。
Alice、聞いて頂戴。
これからこの子を学校へ送りに行くのよ。
スプーンはその棚の右から二段目。アンジー、早く食事しないと遅刻よ!
部屋から慌ただしく出て来るアンジー。
そこへ唯一の傍観者といったペースで、Tinaがのっそり起きてきた。
Tee、貴女も早く食べちゃって。
ハイハイ、といった様子で、Tinaが慌ててコーヒーをテーブルへ運びつつ腰掛ける。
と、。
Betteの苛々の根源である、Aliceがこそっと耳打ちをしてきた。
ねぇ、、、。
Betteって いつからあんな家庭的になっちゃったの?
黙ったまま、ニヤリと笑うTina。
そう、我が家も普通の家なのだ。
学校までの距離は、車で30分程。
行ってきます!と二人はTinaにKissをし、。
Betteはアンジーを慌ただしく車へと押し込む。
我が家に静寂が戻った。
…かのようにみえた。
あのさ、Tina。あたしNYの街って詳しくないの。
そうだよ!ちょっと、今晩あたりゲイバーでも連れてってよ。
…やれやれ。
Tinaは心の中で溜め息を付きつつ、Aliceを見つめた。
ねぇ、昨日は訊けなかったけど、あれからTashaとどうなったの?
別れた。終わり。解るでしょ?終わったの。
…あぁ、もう!ジェイミーだよ。二人があの後どうしたかは知らない。
てか、知りたくない。でも、もういいの。心配するのも疲れたもん。
ねぇTina、知ってた?あたし、元々はフェム系が好きなのよ?
小さく笑って俯くAlice。その笑顔をみて、Tinaもまた小さく笑う。
もう、しばらく恋はいいよ。
そう言ってAliceは持っていたコーヒーを飲み干した。
〜LA。
静かな朝だ。書きはじめてから随分経ったような気がする。
パソコンを閉じ、背伸びをする。と、キッチンに人の気配を感じた。
キッチンに向かうと、Shaneが立ったままコーヒーを飲んでいた。
おはよう、Jenny。眠れた?
おはよ。いいえ、ずっと書いてたから、これから眠るわ。
珍しいわね、自分でコーヒーを入れるなんて。プラネットは休み?
いいや、知らない。やってるんじゃないかな。
…そうなの。じゃ、お休み。
Shaneの動向に小さな違和感を感じつつも、それに触れる事なく、
Jennyは部屋を出た。
Bedに寝転び、先日Aliceから渡され読んだ、
アデルの最新作を思い出した。
作品の中で、自分が殺された事には さほど驚かなかったが、Shaneと結ばれた
あのくだりには、かなり動揺した。
あの時、ニキとの一件で傷ついたのは確かだ。
しかし、それは深い友情の結びつきからくる裏切りだった。
事実、あれを機にニキとは別れたし、Shaneとの蟠り(ワダカマリ)を取るには
時間を要した。
でもまさか、それ以上の感情なんて・・・。
自分すら気づかぬうちにアデルに見透かされていたような気分になり、
Jennyはシーツを被った。
〜NY。
通学路には毎日軽い渋滞が起こる。セレブの街だけあり、車も豪華だ。
Tinaは合わせる必要なんて ないというけれど、この子が惨めな思いを
学校でしていないか、Betteは少し心配していた。
入り口でアンジーを下ろし、行ってらっしゃいのKissをする。
我が子の駆けてゆく後ろ姿・・・。
私達の娘だもの。大丈夫よ。Betteは小さく微笑み、ハンドルを切った。
〜LA。<
Planetの朝は、いつもと変わりなく、Kitは鼻歌を歌いながら接客をこなす。
ただ、そこにヘレナの姿は見えなかった。
最近、そういう日が何日か置きに続いている。
Jennyのせいでこじれてしまった、ディランとの関係。
もう、人が信じられない、そう言ってヘレナが荒れた時期もあった。
Kitはただ見守るしかなかった。
それから数ヶ月経つと、ヘレナは自然にいつものオーナーとして戻っていた。
Alice達とも、いつも通り接していた。
ただ、彼女の何かが欠けているようで、それをKitは気にしていた。
Hitの夜の経営を中心にヘレナが力を入れはじめてから、
Planetには あまり顔を出さなくなった。
今日は久しぶりに彼女の自宅を訪ねてみよう、そう思っていた。
数時間後、Kitは従業員に少し出かけるとだけ告げ、ヘレナの家へ向かった。
玄関のチャイムを鳴らす。
…誰も出ない。
その場で彼女の携帯に電話をしてみた。
…出ない。数回かけてみる。
10回程鳴ると、ようやくヘレナが返事をした。
泥酔した様子だった。
聞くと、最近よく眠れず、睡眠薬と一緒に飲んでいるらしい。
今日はHitも休んでいいから。
そう言うとKitは電話を切り、別の場所に電話をした。
☆*゚ ゜゚* *+:。.。:+* ゜ ゜゜ ☆*゚ ゜゚* *+:。.。:+* ゜ ゜゜ ☆*゚ ゜゚* *+:。.。:+* ゜ ゜゜
まず、驚かれたのと同時に、混乱するであろう部分から書き足します。
Jennyの件。
Season6が中途半端に終わってしまった事で、皆さんのモヤモヤも
曖昧なままだと思います。
そこで、私の中でSeason6を『現実と空想の混ぜこぜ』にしたいと思いました。
Season6のストーリー全部を『架空』にするのではなく、
一部は事実、一部は架空の物語の『交差』にしたかったんですね。
Jennyのキャラクターは、正直理解不能だし、好きじゃなかったのですが
あのまま殺してしまうのは、あまりに忍びなく・・・。
そこで考えたのがこの案でした。
Jennyの猿真似が好きな アデルの新作として、作り上げたのが
Season6。
皆さん、少し混乱してしまうかもしれませんが、そのような目で見て頂けると
今後の展開も楽しめるかと思います。
では、、、次がいつになるか(笑)L8の後かもしれませんが(笑)
感想等、言って頂けると嬉しいです。
なにせ、褒められて伸びるBetteちゃんなのでwww
pikari
December 19, 2010
Happy Birthday !!! Jennifer Beals☆*゚ ゜゚* *+:。.。:+* ゜ ゜゜
12/21更新あり(妄想物語)
今日、12/19はJenniferの47回目の誕生日です(>▽<)
☆*゚ ゜゚* *+:。.。:+* ゜ ゜゜ おめでとう(*^▽^)/
いつまでもお若く、美しいJenniferですね。
アチラの時間は、朝8時頃かな?
ホントに忙しい毎日だと思いますが、今日ばかりは家族水入らずで
過ごしているのでしょうね
そこには、沢山の方からお祝いの電話や手紙やプレゼントも届いているのかな?
我等の、Laurelからもきっと…
シカゴコードも大成功をおさめ、素敵な1年にして頂きたいものです
そして、3月にどうかSurprise Guestで登場して欲しい(>_<)
そいでもって、早くLaurelを迎えに行ってあげてください
小さな希望を乗せつつ、、、。
お誕生日おめでとうございますJennifer(v^-゚)
そうだ!tibette.com ( Jennifer Beals.com )にてお祝いメッセージ
を募集していますので、JBファンも、LHファンも皆さんどしどし
書き込みして下さいね(*・∀-)
コチラからどーぞ
http://birthday.jennifer-beals.com/
突然ですが、深夜にちょっと妄想をしてみました。
LaurelがJenniferのお宅に行くという設定です。
お暇な方は、おバカな妄想をしばしお楽しみ頂ければ嬉しいです。
(内容は全て私の妄想であり、なんの根拠もありませんし、全てフィクションです)
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チャイムが鳴り、Jenniferの夫がドアを開けると、そこには花束と紙袋を持った、
Laurelが立っていた。
お久しぶりですね。いらっしゃい。どうぞ中へ。
にこやかな夫に小さく笑顔を送り、Laurelは中に入る。
玄関の正面には、リビングへと続く広いフロアーが。
左手には、緩やかなカーブを描いた階段。
吹き抜けになったその場所は、温かな木の香りがする。
リビングに通されると、Jenniferの愛娘が友達と楽しそうに はしゃぐ姿が目に入った。
左手に目をやる。
と、キッチンにお手伝いさんと並ぶJenniferの後ろ姿が飛び込んできた。
小さな胸の高まり。
振り返るJennifer。
その顔に懐かしいあの笑顔が広がる。
『 いらっしゃい。久しぶりね、Luh。 』
自分の紅潮を知られないように、手を振り応える。
『 Hi、Jen。お誕生日おめでとう。元気だった? 』
花束を渡すLaurel。
『 ありがとう、元気よ。あなたは、、少し痩せたみたい。絵、頑張ってるの? 』
『 そうね、子育てとの両立が少し大変だけど。 』
花を生けるよう、家政婦にお願いをしつつJenniferは続けた。
『 今日子供たちは? 』
『 母に預けてきたの。 』
『 そう・・・会いたかったわ。 』
少しおどけた振りをして、Laurelは尋ねる。
『 どっちに?私に?子供たちに? 』
黙ったまま、少し首を傾げ、Jenniferは子供っぽく笑った。その姿が愛しく可愛らしい。
『 手伝うわ。良いワインを買ってきたの。 』
LaurelはJenniferに近づく。久しぶりに嗅ぐ彼女の香水が鼻をくすぐる。
『 今日は貴女がメインなんだから、座ってて。私がやるわ。 』
『 いいわよ。大事なお客様なんだから。 』
『 ・・・じゃ、手伝わせて。手が足りないでしょ? 』
『 OK。ありがとう。じゃあ、ちょっとこのフルーツをクッキーに乗せてくれる?
こうやってクッキーに、このクリームを塗るの・・・ 』
肩が触れる。
さっきより強い香水の香りが立ち込める。
目線を斜め上にやると、すぐ傍にJenniferの長い睫毛が見えた。
理性を抑えるのを、少し躊躇した。
近くで、家政婦が持ってきた花を花瓶に生けていた。
その傍らでは、他のゲストと彼女の夫が談笑してる姿も見える。
ダメだ。視線を彼女から落とそうとした瞬間、Jenniferと目が合った。
おそらく顔に出ている筈だ。Laurelは、思わず目を逸らす。
そんな姿にJenniferは 体で彼女の肩を押し、そして小さく笑った。
October 29, 2010
Season7-1
って、待ってない?あ、そう
一部の方々から、熱烈なSeason7の要望があり、やっとこ7-1を完成
させることができました。
大きな問題は、Season6とどう繋げるか。
その問題も私の中では、クリアできました。
読み手の皆さんには、まだ疑問点が山盛りだと思いますが
少しずつ読み進むうちに、解ってくるシステムとなっております。
それを踏まえた上で、楽しんで頂ければ光栄です。
尚、このSeason7は、、、、定期購読は不可です(爆)
自分の中でまとまり次第、続きを書き上げていくという気まぐれペースで
やってまいりますので、気長に待って頂けると嬉しいです。
ホントは・・・映画化決定後に書きたかったんですけどねー。
では、皆さま。pikariの妄想物語を、お楽しみ下さい☆
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TibetteのいないLA。
プラネットの店内もなんだか寂しい。
Shaneが一人朝食を取るその傍で、Kitが優しく声をかける。
そんな姿を見兼ねて、HelenaはAliceに電話をする。
程なくしてAliceが店へやってきた。
Hi…少し小さい声で話しかけると、Shaneは俯いたまま重い口を開いた。
自分が大切だと思った人ほど、遠退いていってしまうんだ・・・。
丸まったShaneの肩を、黙ったままそっと抱くAlice。
そうじゃないでしょ、と 二人の前にKitがコトリとカプチーノを置いた。
いなくなるのは、いつも貴女からじゃないの?
そろそろ私達も成長する頃なのかもよ。
その声に促され、Shaneはカウンター越しに重い頭をゆっくりもたげる。
そこには、いつもと変わらぬ優しい目で見つめるKitがいた。
そしてその目は、Shaneの胸に 見えなくも確かな何かを落とした。
NY。
繁華街を歩く男女。
突然ハンドルを切り突っ込んできた車に向かって発砲する男。
女が悲鳴を上げて走りだす。
カット!
の声と同時に、足を止めていた通行人が、何事もなかったかのように
日常へと歩き出した。
Tinaの指揮する撮影は順調だ。
ここには厄介な問題を次々と持ち込む脚本家もいなければ、
それに媚びる投資家もいない。
cool過ぎる程、職場に感情を持ち込まないCrew達には、若干味気無くも感じたが、
Tinaは今の職場に充分満足していた。
携帯の短縮No.0を押し、戻ったばかりの喧騒から ほんの少しだけ身をそらす。
今日は早く帰れそう。
そう告げると、電話の向こうで楽しそうにはしゃぐアンジーの声が、小さく耳に入った。
トライベッカの高級住宅地から 少し走ったその場所に、Tibetteは住んでいた。
セレブ達が通わせている学校は 環境も良く、設備的にも安心だ。
それなりに見合うものが必要だったが、迷う事なく 二人の母はそこに決めた。
Tinaの帰りを待ちながら作る夕食。
昔は何もできなかったBetteも、今は違う。
料理を誰に習う事なく、いつからか得意料理の数も増えた。
今日の夕食は、アンジーの好きなスパイシーチキンとサラダ。
コンソメの効いた良い匂いが室内に立ち込め始めたその時、ベルが鳴った。
玄関を開けてBetteは驚いた。
そこには、それなりの荷物を持ったAliceが立っていた。
…何してるの??
鍋掴みを持ったまま 慌てるBetteをよそに、お邪魔しますと勝手に入ってゆくAlice。
荷物をテーブルへ無造作に置き、ソファーに座るアンジーを膝に乗せる。
一体なんなの?呆れた口調でBetteが口を開くと同時に、
Aliceが一冊の台本を荷物から取り出し、話し出した。
それは、間もなく上映となるレズガールズの最新作だ。
落ち着いてきいてね、と言ったAliceの忠告も虚しく、Betteは怒りに震える事となった。
それは、前作レズガールズの後編とも言える作品。
今回はミステリアスに描かれてはいるものの、キャストはまた自分達そのものと言った内容。
その上、有り得ない結末に驚愕した。
Aliceの話によると、物語の中でJessyが殺され、その犯人がこともあろうに
Ninaだと言うのだ。
これ!誰が書いたの?!まさかJenny?!
一呼吸置いたAliceが、口を開く。
違う・・・。驚かないでね。・・・アデルだよ。
わなわなと震えるBetteの唇を、アンジーが不安そうに見上げる。
その姿に、Aliceは慌てて次の言葉を発した。
私だって犯人に見せかけられてたんだよ?!
残念ながら、その声はBetteの耳には入っておらず、二人は同時に
深いため息をついた。
そこへ事を知らないTinaが帰宅した。
Aliceの登場には驚いたが、ただならぬBetteの様子に
Tinaの顔にも自然と不安が広がる。
Aliceから経緯を聞かされたTinaは、呆れた顔で高らかに笑い出した。
その様子に、Betteが少し驚く。
彼女らしいじゃない。結局彼女はJennyの猿まねしか出来ないって事ね。
もう関係ない人よ。放っておけばいい。
そう二人に告げると、Tinaは足早に台所へと向かった。
Tinaまでも虚仮にしておいて、このまま黙ってる訳にはいかないわ。
Betteがその台詞を吐き出そうとした時、台所にいたTinaが話題を切り替えた。
そういえば、Maxはどう?見つかった?
…まだ。
首を横に振りながらAliceは続けた。
マリアをKitの元へ置き去りにして、もう半年以上経つかな。
一人で産む事への恐怖に加え、女の子を産んでしまった事が
余程ショックだったんだろうね…。
周囲は、里子に出す事を奨めたが、Kitが頑として拒否し
自分が以前下ろした子への罪、として育てる決意をしていた。
幸いその申し出はSonyからだった。
結婚は同性婚が許可される日まではしない、と頑なに拒んできたKitだが、
今回は状況が違う。
有り難過ぎる彼のプロポーズを断る理由もなく、素直に受け入れた。
式はKitの希望通り、執り行わなかった。
マリアは元気みたいだよ。
そう、とあまり元気のない声でBetteは返事をすると、黙ったままアンジーを抱き寄せた。
みんなは元気?ShaneやJennyはどうしてるの?そうだターシャは?
と、紅茶を手にTinaが近づく。
ちょっと、そんな矢継ぎ早に聞かないでよ。時間はたっぷりあるんだから。
どういう意味?と首を傾げる二人に、Aliceが笑った。
まぁ、そういう訳。しばらくここに居させて。
ん…この紅茶、美味しいね。どこの?
Aliceの奔放な言動に、戸惑いと驚きの表情で、二人が顔を見合わせた。
※Sonyとは、S6でKitと付き合うことになった彼です。
April 22, 2009
Tinaの決意。
と言っても、実は随分前に書いたものです。
出すのを忘れてました(笑)
S5が放送されるまで、あと少し。妄想にお付き合いくださいね(笑)
・・・そう、妄想。
まずは画像ナシで。
後日写真はUPする予定です。
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Tinaは、決意を固めていた。
それはずっと考えていた事だったし、時が過ぎてゆくごとに気持ちは薄れる事なく、
反対に危機感すら感じていた。
まだ 誰にも話していなかったが、この事は自分の夢でもあった。
だから、そうしようと決めたのだ。
『明日は少し早く帰れる?』
リビングでくつろいでいる時、TinaはそうBetteに声をかけた。
『えぇ、回顧展も無事終わったし、特別急ぎの仕事はないけれど?』
『そう・・・。』
『ねぇ、このワイン美味しいわね。誰に貰ったの?』
『デイナよ?試合が近いから今、禁酒してるんですって。』
『あらそう。試合が終わってから飲めばいいのにね。』
『Betteが最近赤にハマッってるって、こないだ話してたのを覚えててくれてたのよ。』
『そうなのね。忘れてたわ(笑)』
満たされた時間、安定した生活。
今までどうしてもっと早く決断しなかったのか。
その事が、逆にTinaには不思議でならなかった。
二人きりの旅行。二人きりの生活。
これ以上求めるものなど無いという、安心感からだろうか。
・・・翌日。
いつもどおり食事をすまし、TinaはBetteに切り出した。
『ねぇ、昨日の話なんだけど・・・。』
『えぇ、なぁに?』
『私、近いうちに会社を辞めようと思うの。』
突然の言葉に驚くBette。思わず持っていた雑誌をテーブルに置く。
『どうしたの?急に。あの腹立たしい同期のせいなの?』
少し前から浮上していた、Nancyという女の存在。
どうやらTinaの功績を妬んで、最近執拗なまでに嫌がらせをするらしいのだ。
『いいえ、Bette(笑)私はそんなくだらない事で、会社を辞めたりしないわ。』
Tinaの顔に、ほんのり笑みが零れる。
Betteの心配とは、全く関係のない様子だ。
『私・・・・子供を生もうと思う。』
怪訝な表情から一転、一気に高潮していくBetteの頬。
Tinaが発したその言葉は、何にも換えがたい、天にも昇るような言葉だった。
実は、以前からこの話は二人の間で持ちあがっていた。
BetteもTinaも、子供は大好きだ。
家族を持つことで、本当のFamilyになれる。
実際、恵まれた環境である証拠に、LAには数多くのGay familyが存在していた。
しかし、どちらが生むとか、仕事はどうするとか、話し合うことは山積みだった。
BetteはTinaに生んで貰いたいと望んだが、仕事を愛する気持ちを理解できるからこそ
Betteなりに強くは言えなかったのだ。
そして捩れた糸のように思ってもいないことを互いが口にし、その結果、口論となる日もあった。
『・・・・・・・と思うの。それには、年齢的にも急いだほうがいいんじゃないかと思って。』
『えぇ、、、、、えぇ、そうね。』
『Bette (笑) 聞いてるの?』
『聞いてるわ。私達の赤ちゃんが・・・出来るのね。』
これ以上ない喜びを全身に感じ、BetteはTinaを抱き寄せる。
『そうよ。私達の、赤ちゃん。』
『私もバカね。Nancyなんて貴女が相手にするわけがないのに(笑)』
Betteの胸の中で、クスクスと笑うTina。
二人は抱き合いながら、優しく揺れていた。
ふと、我に返ったBetteがTinaに、呟いた。
『Tee、それにしても貴女は相変わらず、自分ですぐ結論を出しちゃうのね。』