The L Word Season0
April 22, 2009
Tinaの決意。
スピンオフとは また違うものを思いついたので、書いてみました。
と言っても、実は随分前に書いたものです。
出すのを忘れてました(笑)
S5が放送されるまで、あと少し。妄想にお付き合いくださいね(笑)
・・・そう、妄想。
まずは画像ナシで。
後日写真はUPする予定です。
☆*゚ ゜゚* *+:。.。:+* ゜ ゜゜ ☆*゚ ゜゚* *+:。.。:+* ゜ ゜゜ ☆*゚ ゜゚* *+:。.。:+* ゜
Tinaは、決意を固めていた。
それはずっと考えていた事だったし、時が過ぎてゆくごとに気持ちは薄れる事なく、
反対に危機感すら感じていた。
まだ 誰にも話していなかったが、この事は自分の夢でもあった。
だから、そうしようと決めたのだ。
『明日は少し早く帰れる?』
リビングでくつろいでいる時、TinaはそうBetteに声をかけた。
『えぇ、回顧展も無事終わったし、特別急ぎの仕事はないけれど?』
『そう・・・。』
『ねぇ、このワイン美味しいわね。誰に貰ったの?』
『デイナよ?試合が近いから今、禁酒してるんですって。』
『あらそう。試合が終わってから飲めばいいのにね。』
『Betteが最近赤にハマッってるって、こないだ話してたのを覚えててくれてたのよ。』
『そうなのね。忘れてたわ(笑)』
満たされた時間、安定した生活。
今までどうしてもっと早く決断しなかったのか。
その事が、逆にTinaには不思議でならなかった。
二人きりの旅行。二人きりの生活。
これ以上求めるものなど無いという、安心感からだろうか。
・・・翌日。
いつもどおり食事をすまし、TinaはBetteに切り出した。
『ねぇ、昨日の話なんだけど・・・。』
『えぇ、なぁに?』
『私、近いうちに会社を辞めようと思うの。』
突然の言葉に驚くBette。思わず持っていた雑誌をテーブルに置く。
『どうしたの?急に。あの腹立たしい同期のせいなの?』
少し前から浮上していた、Nancyという女の存在。
どうやらTinaの功績を妬んで、最近執拗なまでに嫌がらせをするらしいのだ。
『いいえ、Bette(笑)私はそんなくだらない事で、会社を辞めたりしないわ。』
Tinaの顔に、ほんのり笑みが零れる。
Betteの心配とは、全く関係のない様子だ。
『私・・・・子供を生もうと思う。』
怪訝な表情から一転、一気に高潮していくBetteの頬。
Tinaが発したその言葉は、何にも換えがたい、天にも昇るような言葉だった。
実は、以前からこの話は二人の間で持ちあがっていた。
BetteもTinaも、子供は大好きだ。
家族を持つことで、本当のFamilyになれる。
実際、恵まれた環境である証拠に、LAには数多くのGay familyが存在していた。
しかし、どちらが生むとか、仕事はどうするとか、話し合うことは山積みだった。
BetteはTinaに生んで貰いたいと望んだが、仕事を愛する気持ちを理解できるからこそ
Betteなりに強くは言えなかったのだ。
そして捩れた糸のように思ってもいないことを互いが口にし、その結果、口論となる日もあった。
『・・・・・・・と思うの。それには、年齢的にも急いだほうがいいんじゃないかと思って。』
『えぇ、、、、、えぇ、そうね。』
『Bette (笑) 聞いてるの?』
『聞いてるわ。私達の赤ちゃんが・・・出来るのね。』
これ以上ない喜びを全身に感じ、BetteはTinaを抱き寄せる。
『そうよ。私達の、赤ちゃん。』
『私もバカね。Nancyなんて貴女が相手にするわけがないのに(笑)』
Betteの胸の中で、クスクスと笑うTina。
二人は抱き合いながら、優しく揺れていた。
ふと、我に返ったBetteがTinaに、呟いた。
『Tee、それにしても貴女は相変わらず、自分ですぐ結論を出しちゃうのね。』
と言っても、実は随分前に書いたものです。
出すのを忘れてました(笑)
S5が放送されるまで、あと少し。妄想にお付き合いくださいね(笑)
・・・そう、妄想。
まずは画像ナシで。
後日写真はUPする予定です。
☆*゚ ゜゚* *+:。.。:+* ゜ ゜゜ ☆*゚ ゜゚* *+:。.。:+* ゜ ゜゜ ☆*゚ ゜゚* *+:。.。:+* ゜
Tinaは、決意を固めていた。
それはずっと考えていた事だったし、時が過ぎてゆくごとに気持ちは薄れる事なく、
反対に危機感すら感じていた。
まだ 誰にも話していなかったが、この事は自分の夢でもあった。
だから、そうしようと決めたのだ。
『明日は少し早く帰れる?』
リビングでくつろいでいる時、TinaはそうBetteに声をかけた。
『えぇ、回顧展も無事終わったし、特別急ぎの仕事はないけれど?』
『そう・・・。』
『ねぇ、このワイン美味しいわね。誰に貰ったの?』
『デイナよ?試合が近いから今、禁酒してるんですって。』
『あらそう。試合が終わってから飲めばいいのにね。』
『Betteが最近赤にハマッってるって、こないだ話してたのを覚えててくれてたのよ。』
『そうなのね。忘れてたわ(笑)』
満たされた時間、安定した生活。
今までどうしてもっと早く決断しなかったのか。
その事が、逆にTinaには不思議でならなかった。
二人きりの旅行。二人きりの生活。
これ以上求めるものなど無いという、安心感からだろうか。
・・・翌日。
いつもどおり食事をすまし、TinaはBetteに切り出した。
『ねぇ、昨日の話なんだけど・・・。』
『えぇ、なぁに?』
『私、近いうちに会社を辞めようと思うの。』
突然の言葉に驚くBette。思わず持っていた雑誌をテーブルに置く。
『どうしたの?急に。あの腹立たしい同期のせいなの?』
少し前から浮上していた、Nancyという女の存在。
どうやらTinaの功績を妬んで、最近執拗なまでに嫌がらせをするらしいのだ。
『いいえ、Bette(笑)私はそんなくだらない事で、会社を辞めたりしないわ。』
Tinaの顔に、ほんのり笑みが零れる。
Betteの心配とは、全く関係のない様子だ。
『私・・・・子供を生もうと思う。』
怪訝な表情から一転、一気に高潮していくBetteの頬。
Tinaが発したその言葉は、何にも換えがたい、天にも昇るような言葉だった。
実は、以前からこの話は二人の間で持ちあがっていた。
BetteもTinaも、子供は大好きだ。
家族を持つことで、本当のFamilyになれる。
実際、恵まれた環境である証拠に、LAには数多くのGay familyが存在していた。
しかし、どちらが生むとか、仕事はどうするとか、話し合うことは山積みだった。
BetteはTinaに生んで貰いたいと望んだが、仕事を愛する気持ちを理解できるからこそ
Betteなりに強くは言えなかったのだ。
そして捩れた糸のように思ってもいないことを互いが口にし、その結果、口論となる日もあった。
『・・・・・・・と思うの。それには、年齢的にも急いだほうがいいんじゃないかと思って。』
『えぇ、、、、、えぇ、そうね。』
『Bette (笑) 聞いてるの?』
『聞いてるわ。私達の赤ちゃんが・・・出来るのね。』
これ以上ない喜びを全身に感じ、BetteはTinaを抱き寄せる。
『そうよ。私達の、赤ちゃん。』
『私もバカね。Nancyなんて貴女が相手にするわけがないのに(笑)』
Betteの胸の中で、クスクスと笑うTina。
二人は抱き合いながら、優しく揺れていた。
ふと、我に返ったBetteがTinaに、呟いた。
『Tee、それにしても貴女は相変わらず、自分ですぐ結論を出しちゃうのね。』
March 24, 2009
Tibette スピンオフ(笑)
Betteの家に住み始めて半年が経とうとする頃、初めて二人が衝突した。
原因は、くだらない事だった。
Tinaが仕事先の女性スタッフと二人で食事に出かけた際
偶然Betteが会社に電話をかけてきて、その事実を知ったのだ。
『あなたには、失望したわ。』
仕事場から戻り、着替えるTinaの背中に、Betteは突然吐き捨てるように言った。
『いきなりなんなの?』
少しムッとした声で、TinaはBetteを睨みつける。
大きなため息をつきながら、Betteは続けざまにこう言った。
『今日は残業じゃなかったの?なのに、仕事場を抜け出して、一体誰とどこへ行ってたのよ?』
・・・・ようやくBetteの怒っている理由をつかめたTina。
笑い出しそうな気持ちをグッと堪え、ベッドにゆっくりと腰を降ろしBetteを見つめる。
『Bette・・・あなたの私に対する信頼って、そんな程度なの?』
落ち着いた口調で、Tinaは彼女の瞳を見つめたまま話しかけた。
Betteの長いまつ毛がピクリと動く。
『あなたに隠し事をするような事は、何一つないのよ。彼女は今度うちで取り上げる
制作会社の新しい社長。新しい映画をやるって話はしたわよね?』
『だったらなぜ私に話してくれなかったの?』
『今日急に決まった事よ?だから今話しているじゃない。』
Tinaは少しあきれた口調で立ち上がり、クローゼットにスーツを片付ける。
『Bette、私を信用出来ないの?なぜ?』
『・・・・・・でも。二人きりはイヤだわ。』
戸惑ったような、そして悲しげな顔をBetteはTinaに向ける。
『だって、あなたを愛しているから・・・』
子供のように泣き出しそうなBetteをTinaは優しく抱きしめた。
『私は何処にも行かない。そう決めたじゃない。』
・・・2月2日。
この日は、珍しく二人揃って自宅に早く帰れそうだった。
だから事前にBetteにも知らせた。妬きもち焼きのBetteに。
信用されないことは、少し悲しかったが、それも愛あってこその事。
そのなんとも言えぬ不器用なぬくもりが、Tinaはとても幸せだった。
しかも今日は、二人で暮らし始めて半年が経った記念日だ。
・・・先に帰れると思う。
そう告げていたはずのBetteが、20時を回っても戻ってこない。
夕食を作り、一息ついてからどの位経ったのだろうか。
Betteが嬉しそうな表情をして帰ってきた。
『遅かったわね。今日は一緒に食事が出来ると思って、私、用意して・・・』
『Tina、あなたに見せたいものがあるの。』
少し不機嫌なTinaに、気付くことなく嬉しそうな顔のBette。
『コレをあなたに渡したくて・・・。』
Betteは、小さな箱をTinaが夕食を並べたテーブルに、コトンと置いた。
『開けてみて・・・。』
包みを開けると、布製の箱が入っていた。その蓋を手前からそっと開く・・・。
そこには、ほんの少し窮屈そうに二つのリングが入っていた。
『あなたに内緒で頼んでおいたの。ねぇ、このリングの意味を知ってる?』
『・・・記念日を忘れてると思ってた・・・。』
余りの不意打ちに、驚きを隠せないTina。
その目には、うっすらと涙が浮かんでいた。
『このリングにはね、愛・友情・忠誠って意味があるの。友情っていうのはちょっと
意味合いが違うけど・・・ホラ、内側もちゃんと見てみて。』
そこには【Bette to Tina】と【Tina to Bette】と刻印がされてあった。
箱からそっと指輪を取り出すBette。
『この間はごめんなさい。でも私、不安だったのよ。今までこんなに人を愛した事が
なかったから・・・。これからも、ずっと傍にいて欲しい。だからこれ、受け取って。』
人前で滅多に泣かないTinaが泣いた。
その涙は、決して冷たいものではなかった。
深い愛情と、温かさ。彼女に出会うまで、感じた事のない幸福。
その喜びから来る、あたたかい涙が止めどなく溢れた。
そんなTinaをBetteは、優しく抱き締めるのだった。
我が家には、こんな素敵な話はありませんが(爆)
久々に、こういうのもいいかなぁと思って書いてみました。
ちなみに、2/2はフィクションです。
あ、全部フィクションだった(笑)
※写真は、後日UPします☆*゚ ゜゚* *+:。.。:+* ゜ ゜゜
原因は、くだらない事だった。
Tinaが仕事先の女性スタッフと二人で食事に出かけた際
偶然Betteが会社に電話をかけてきて、その事実を知ったのだ。
『あなたには、失望したわ。』
仕事場から戻り、着替えるTinaの背中に、Betteは突然吐き捨てるように言った。
『いきなりなんなの?』
少しムッとした声で、TinaはBetteを睨みつける。
大きなため息をつきながら、Betteは続けざまにこう言った。
『今日は残業じゃなかったの?なのに、仕事場を抜け出して、一体誰とどこへ行ってたのよ?』
・・・・ようやくBetteの怒っている理由をつかめたTina。
笑い出しそうな気持ちをグッと堪え、ベッドにゆっくりと腰を降ろしBetteを見つめる。
『Bette・・・あなたの私に対する信頼って、そんな程度なの?』
落ち着いた口調で、Tinaは彼女の瞳を見つめたまま話しかけた。
Betteの長いまつ毛がピクリと動く。
『あなたに隠し事をするような事は、何一つないのよ。彼女は今度うちで取り上げる
制作会社の新しい社長。新しい映画をやるって話はしたわよね?』
『だったらなぜ私に話してくれなかったの?』
『今日急に決まった事よ?だから今話しているじゃない。』
Tinaは少しあきれた口調で立ち上がり、クローゼットにスーツを片付ける。
『Bette、私を信用出来ないの?なぜ?』
『・・・・・・でも。二人きりはイヤだわ。』
戸惑ったような、そして悲しげな顔をBetteはTinaに向ける。
『だって、あなたを愛しているから・・・』
子供のように泣き出しそうなBetteをTinaは優しく抱きしめた。
『私は何処にも行かない。そう決めたじゃない。』
・・・2月2日。
この日は、珍しく二人揃って自宅に早く帰れそうだった。
だから事前にBetteにも知らせた。妬きもち焼きのBetteに。
信用されないことは、少し悲しかったが、それも愛あってこその事。
そのなんとも言えぬ不器用なぬくもりが、Tinaはとても幸せだった。
しかも今日は、二人で暮らし始めて半年が経った記念日だ。
・・・先に帰れると思う。
そう告げていたはずのBetteが、20時を回っても戻ってこない。
夕食を作り、一息ついてからどの位経ったのだろうか。
Betteが嬉しそうな表情をして帰ってきた。
『遅かったわね。今日は一緒に食事が出来ると思って、私、用意して・・・』
『Tina、あなたに見せたいものがあるの。』
少し不機嫌なTinaに、気付くことなく嬉しそうな顔のBette。
『コレをあなたに渡したくて・・・。』
Betteは、小さな箱をTinaが夕食を並べたテーブルに、コトンと置いた。
『開けてみて・・・。』
包みを開けると、布製の箱が入っていた。その蓋を手前からそっと開く・・・。
そこには、ほんの少し窮屈そうに二つのリングが入っていた。
『あなたに内緒で頼んでおいたの。ねぇ、このリングの意味を知ってる?』
『・・・記念日を忘れてると思ってた・・・。』
余りの不意打ちに、驚きを隠せないTina。
その目には、うっすらと涙が浮かんでいた。
『このリングにはね、愛・友情・忠誠って意味があるの。友情っていうのはちょっと
意味合いが違うけど・・・ホラ、内側もちゃんと見てみて。』
そこには【Bette to Tina】と【Tina to Bette】と刻印がされてあった。
箱からそっと指輪を取り出すBette。
『この間はごめんなさい。でも私、不安だったのよ。今までこんなに人を愛した事が
なかったから・・・。これからも、ずっと傍にいて欲しい。だからこれ、受け取って。』
人前で滅多に泣かないTinaが泣いた。
その涙は、決して冷たいものではなかった。
深い愛情と、温かさ。彼女に出会うまで、感じた事のない幸福。
その喜びから来る、あたたかい涙が止めどなく溢れた。
そんなTinaをBetteは、優しく抱き締めるのだった。
我が家には、こんな素敵な話はありませんが(爆)
久々に、こういうのもいいかなぁと思って書いてみました。
ちなみに、2/2はフィクションです。
あ、全部フィクションだった(笑)
※写真は、後日UPします☆*゚ ゜゚* *+:。.。:+* ゜ ゜゜
February 11, 2009
season0-12(fin)
翌日、Betteは眠っているTinaを置いたまま『少し出かけます』とメモを置き、
再度一人でTinaの母、Michelleに会いに行った。
意外にもMichelleは、すんなり部屋に通してくれた。
昨日とは違う、誰もいないしんとした部屋。
ゲストルームに通され、ソファに座ると、Betteは静かに話し始めた。
自分の過去、ビアンとして生きる事への決意、今の仕事、立場。
そしてTinaへの想い。最後にBetteは、こう付け加えた。
『Tinaはご家族をとても愛しています。今ご家族を傷つけてしまった事で、
何より心を痛めているのは彼女です。
ただ私達は、この選択を間違ったとは思っていません。今すぐでなくても構いません。
いつか彼女を、私達を許してやって下さい。』
静かに、かつ力強くBetteはMichelleに語った。
その目には強さを秘めた愛があった。
『紅茶が冷めてしまったわね・・・』
すっと席を立つTinaの母の背中を、
Betteはじっと見つめていた。
この背中の向こう側を見ずとも、母の涙がBetteにはわかった。
キッチンで静かにお湯の沸いた音が鳴っている。
温かい紅茶を差し出し、ソファに座るとMichelleは、Tinaの父、Johnと出会った頃の
話をしてくれた。
そしてJohnが最初で最後の人なのよと・・・。
少し恥ずかしそうな笑顔が、Tinaにとても似ていてBetteの頬も少し緩んだ。
Michelleは、最後にこう言った。
『Tinaをよろしくお願いします。あの子は芯が強そうに見えて、
悲しみも自分の中で留めて抱えてしまうところがあるから』。
帰ってきたBetteの話を聞いて、Tinaは静かに泣いていた。
そんなTinaをBetteは、彼女が壊れてしまわないようにそっと抱きしめた。
・・・もう大丈夫。そんな安心感が二人を包んでいた。
しばらくして、引越しの日がやってきた。よく晴れた爽やかな昼間だ。
近所の家に住むShaneとShaneの男友達が、手伝いをかって出てくれた。
御礼に夜ご飯を食べながら、引越し祝いをしようとBetteが誘うものの、
今日は二人で夜を過ごしなと、Shane達は遠慮した。
二人で過ごす時間。まだ生活感のない新品の食器。
ワイン越しに見るTinaが、少し火照っている。
今日は有り合わせのもので、手早くTinaが準備してくれた。
そんな『何でもない日常』が、Betteには堪らなく幸せに思えた。
二人並んで食器を洗う事も、・・・まるで初めて母の手伝いをした時のような、
小さくも温かい喜びが、そこにはあった。
いつもなら疲れた体を横たえる為だけのソファーもベッドも、
これからは二人の時間を過ごす為の、大切な家具だ。
買ったばかりの新しいベッドに横たわる二人。
朝まで抱き合っていたって、もう何も気にする事はない。。
ふとTinaが呟く。
『Bette…あなたと出会えて本当に幸せよ。』
Betteは泣き出しそうな笑顔でTinaを抱き寄せ、そしてKissをした。
もう声を上げることにも躊躇はいらない。
時間が二人を引き裂く事もない。
欲望が欲望を呼び、更なる欲望を次から次へといざなう。
このまま永遠に私の中にいて欲しい。
二人は同時に、心からそう祈った。
そしてこの温もりさえあれば、どんな困難も二人なら乗り越えられると強く思った。
翌日。
Tinaが目覚めると、隣にBetteが眠っていた。
その眠る姿を、Tinaは幸せそうに見つめる。
真っ白なシーツをそっとかけ直し、Tinaはキッチンへ向かう。
・・・こうして二人の朝が始まった。
fin
皆さま。
長らくS0にお付き合い頂きまして、有難うございました(〃▽〃)
pikari
再度一人でTinaの母、Michelleに会いに行った。
意外にもMichelleは、すんなり部屋に通してくれた。
昨日とは違う、誰もいないしんとした部屋。
ゲストルームに通され、ソファに座ると、Betteは静かに話し始めた。
自分の過去、ビアンとして生きる事への決意、今の仕事、立場。
そしてTinaへの想い。最後にBetteは、こう付け加えた。
『Tinaはご家族をとても愛しています。今ご家族を傷つけてしまった事で、
何より心を痛めているのは彼女です。
ただ私達は、この選択を間違ったとは思っていません。今すぐでなくても構いません。
いつか彼女を、私達を許してやって下さい。』
静かに、かつ力強くBetteはMichelleに語った。
その目には強さを秘めた愛があった。
『紅茶が冷めてしまったわね・・・』
すっと席を立つTinaの母の背中を、
Betteはじっと見つめていた。
この背中の向こう側を見ずとも、母の涙がBetteにはわかった。
キッチンで静かにお湯の沸いた音が鳴っている。
温かい紅茶を差し出し、ソファに座るとMichelleは、Tinaの父、Johnと出会った頃の
話をしてくれた。
そしてJohnが最初で最後の人なのよと・・・。
少し恥ずかしそうな笑顔が、Tinaにとても似ていてBetteの頬も少し緩んだ。
Michelleは、最後にこう言った。
『Tinaをよろしくお願いします。あの子は芯が強そうに見えて、
悲しみも自分の中で留めて抱えてしまうところがあるから』。
帰ってきたBetteの話を聞いて、Tinaは静かに泣いていた。
そんなTinaをBetteは、彼女が壊れてしまわないようにそっと抱きしめた。
・・・もう大丈夫。そんな安心感が二人を包んでいた。
しばらくして、引越しの日がやってきた。よく晴れた爽やかな昼間だ。
近所の家に住むShaneとShaneの男友達が、手伝いをかって出てくれた。
御礼に夜ご飯を食べながら、引越し祝いをしようとBetteが誘うものの、
今日は二人で夜を過ごしなと、Shane達は遠慮した。
二人で過ごす時間。まだ生活感のない新品の食器。
ワイン越しに見るTinaが、少し火照っている。
今日は有り合わせのもので、手早くTinaが準備してくれた。
そんな『何でもない日常』が、Betteには堪らなく幸せに思えた。
二人並んで食器を洗う事も、・・・まるで初めて母の手伝いをした時のような、
小さくも温かい喜びが、そこにはあった。
いつもなら疲れた体を横たえる為だけのソファーもベッドも、
これからは二人の時間を過ごす為の、大切な家具だ。
買ったばかりの新しいベッドに横たわる二人。
朝まで抱き合っていたって、もう何も気にする事はない。。
ふとTinaが呟く。
『Bette…あなたと出会えて本当に幸せよ。』
Betteは泣き出しそうな笑顔でTinaを抱き寄せ、そしてKissをした。
もう声を上げることにも躊躇はいらない。
時間が二人を引き裂く事もない。
欲望が欲望を呼び、更なる欲望を次から次へといざなう。
このまま永遠に私の中にいて欲しい。
二人は同時に、心からそう祈った。
そしてこの温もりさえあれば、どんな困難も二人なら乗り越えられると強く思った。
翌日。
Tinaが目覚めると、隣にBetteが眠っていた。
その眠る姿を、Tinaは幸せそうに見つめる。
真っ白なシーツをそっとかけ直し、Tinaはキッチンへ向かう。
・・・こうして二人の朝が始まった。
fin
皆さま。
長らくS0にお付き合い頂きまして、有難うございました(〃▽〃)
pikari
February 04, 2009
season0-11
Tinaの体調が優れなかったせいもあり、日程を少しずらして
パーティが執り行われた。
招待したのは、先日紹介された3人とそのパートナー。
Shaneには特定の彼女はおらず、この時はIsaという
女性を連れて来た。
MarinaのパートナーであるFrancesaは、
海外出張のため欠席。
Aliceは友人のSarahを連れてきていた。
それから、Betteの異母姉妹であるKitにも会った。
準備の際、Tinaは全てをBetteに一任する事にした。
元々、そういうパーティに慣れていなかったし、Betteが仕切り屋であることは
すぐにわかった。良かれと思って提案した事は、全てBetteに拒否されたし、
こういう場合は、任せるのが一番だ。
それに、もう一つ決めるべき事があった。
Tinaの両親に話すことだ。
どっちみち引越しをする事で、話さなければならなくなる。
だったら早いほうが良い。
問題を考える時間は、そっちに費やそう。
この時には、Tinaにも覚悟が出来ていた。
パーティについては、Betteに一任した事により、言うまでもなく無事に終了。
翌日二人は、Tinaの生まれ故郷である『San Dimas』に向かった。
周りに広がる、山畑。抜けるような空。懐かしさと共に思い出してゆく
いろんな香り。窓から差し込む光と共にTinaは風を感じていた。
ここが私の遊び場、この川は私がこの膝のキズをつくった場所よ。
ここのベーカリーは、オレンジジャムが絶品なの。
と、珍しく嬉しそうに沢山話すTina。
初めて見るTinaの生まれ故郷。そして生家。
自分が知らない頃のTinaの生活。。。
Betteは、小さなジェラシーと、この上ない幸せを感じていた。
突然知らない女性と現れたTinaの帰省に、
驚いた様子の両親と兄夫婦だが、家族全員、
温かく招き入れてくれた。
やはり、どことなくTinaに似ていて、優しい雰囲気だ。
優しそうで、温かい雰囲気の母と、神経質そうで厳しそうな父。
『初めまして。Bette poterです。』
緊張ながら、笑顔で挨拶をするBette。
両親はにこやかに挨拶をしてくれた。
『Tina、どうしたのこんな急に。Ericにでも何かあったの?』
『いいえ、違うの・・・その話もあるんだけど、実は私、引っ越す事にしたのよ。』
Tinaは、胸のざわつきを必死に堪えながら、家族に かいつまんで話していった。
Ericの事、Betteの事。・・・そして、これからのこと。
家族の表情は、またたく間に曇ってゆく。
母は顔を覆い、何度も涙をぬぐった。
父は黙ったまま、まともに娘の顔を見ようとしない。
『そんなくだらない事を言う為に、お前は帰ってきたのか。
訳の判らない女を連れて!!!』
兄は、怒りの矛先をBetteに向けた。
思わずBetteが反論しようとすると、Tinaが黙ったまま、それを制した。
『兄さん、お父さん、お母さんもお願いだから聞いて。
・・・今すぐに理解してとは言わない。私自身、正直自分がこうなると
ついこの間まで思っていなかったから。でもこれだけは言わせて欲しいの。
私はBetteが女性だから、好きになったんじゃないのよ。
好きになったBette Porterという人が、たまたま女性だっただけ。
後にも先にも、私はこの人以外に愛する人を見つけることが出来なかったの。』
泣きながら告げるTinaに、Betteは涙を滲ませた。
兄は黙ったまま、席を立った。
父は天井を睨み付け、部屋には母のすすり泣く声が残された・・・。
帰りの車の中は、とても静かだった。
それは、Tinaのゆるぎない決意のようで、Bette自身、固く握ったハンドルに重みを感じた。
彼女の人生、私の人生。
出会うべくして出会った、大切な人。
たとえ失うものが出来たとしても、その人にとって失ってはならないものが
人には必ずある。
それが何であるかを見極めるチカラが、今の二人には確かにあった。
車の中でBetteは思った。彼女を守りたい。そして彼女を幸せにしたい。
相手に望んでばかりいた自分に、新しい息吹をくれた人。
今まで一番と感じた何よりも、変えがたい思い。
ホテルの一室に入ってすぐ、そっとTinaを抱きしめた。
思いが強すぎて、言葉にしてしまうと崩れてしまいそうで、黙ったままのBette。
そんな彼女の気持ちを察したのか、TinaはBetteにそっと腕をからませた。
パーティが執り行われた。
招待したのは、先日紹介された3人とそのパートナー。
Shaneには特定の彼女はおらず、この時はIsaという
女性を連れて来た。
MarinaのパートナーであるFrancesaは、
海外出張のため欠席。
Aliceは友人のSarahを連れてきていた。
それから、Betteの異母姉妹であるKitにも会った。
準備の際、Tinaは全てをBetteに一任する事にした。
元々、そういうパーティに慣れていなかったし、Betteが仕切り屋であることは
すぐにわかった。良かれと思って提案した事は、全てBetteに拒否されたし、
こういう場合は、任せるのが一番だ。
それに、もう一つ決めるべき事があった。
Tinaの両親に話すことだ。
どっちみち引越しをする事で、話さなければならなくなる。
だったら早いほうが良い。
問題を考える時間は、そっちに費やそう。
この時には、Tinaにも覚悟が出来ていた。
パーティについては、Betteに一任した事により、言うまでもなく無事に終了。
翌日二人は、Tinaの生まれ故郷である『San Dimas』に向かった。
周りに広がる、山畑。抜けるような空。懐かしさと共に思い出してゆく
いろんな香り。窓から差し込む光と共にTinaは風を感じていた。
ここが私の遊び場、この川は私がこの膝のキズをつくった場所よ。
ここのベーカリーは、オレンジジャムが絶品なの。
と、珍しく嬉しそうに沢山話すTina。
初めて見るTinaの生まれ故郷。そして生家。
自分が知らない頃のTinaの生活。。。
Betteは、小さなジェラシーと、この上ない幸せを感じていた。
突然知らない女性と現れたTinaの帰省に、
驚いた様子の両親と兄夫婦だが、家族全員、
温かく招き入れてくれた。
やはり、どことなくTinaに似ていて、優しい雰囲気だ。
優しそうで、温かい雰囲気の母と、神経質そうで厳しそうな父。
『初めまして。Bette poterです。』
緊張ながら、笑顔で挨拶をするBette。
両親はにこやかに挨拶をしてくれた。
『Tina、どうしたのこんな急に。Ericにでも何かあったの?』
『いいえ、違うの・・・その話もあるんだけど、実は私、引っ越す事にしたのよ。』
Tinaは、胸のざわつきを必死に堪えながら、家族に かいつまんで話していった。
Ericの事、Betteの事。・・・そして、これからのこと。
家族の表情は、またたく間に曇ってゆく。
母は顔を覆い、何度も涙をぬぐった。
父は黙ったまま、まともに娘の顔を見ようとしない。
『そんなくだらない事を言う為に、お前は帰ってきたのか。
訳の判らない女を連れて!!!』
兄は、怒りの矛先をBetteに向けた。
思わずBetteが反論しようとすると、Tinaが黙ったまま、それを制した。
『兄さん、お父さん、お母さんもお願いだから聞いて。
・・・今すぐに理解してとは言わない。私自身、正直自分がこうなると
ついこの間まで思っていなかったから。でもこれだけは言わせて欲しいの。
私はBetteが女性だから、好きになったんじゃないのよ。
好きになったBette Porterという人が、たまたま女性だっただけ。
後にも先にも、私はこの人以外に愛する人を見つけることが出来なかったの。』
泣きながら告げるTinaに、Betteは涙を滲ませた。
兄は黙ったまま、席を立った。
父は天井を睨み付け、部屋には母のすすり泣く声が残された・・・。
帰りの車の中は、とても静かだった。
それは、Tinaのゆるぎない決意のようで、Bette自身、固く握ったハンドルに重みを感じた。
彼女の人生、私の人生。
出会うべくして出会った、大切な人。
たとえ失うものが出来たとしても、その人にとって失ってはならないものが
人には必ずある。
それが何であるかを見極めるチカラが、今の二人には確かにあった。
車の中でBetteは思った。彼女を守りたい。そして彼女を幸せにしたい。
相手に望んでばかりいた自分に、新しい息吹をくれた人。
今まで一番と感じた何よりも、変えがたい思い。
ホテルの一室に入ってすぐ、そっとTinaを抱きしめた。
思いが強すぎて、言葉にしてしまうと崩れてしまいそうで、黙ったままのBette。
そんな彼女の気持ちを察したのか、TinaはBetteにそっと腕をからませた。
January 27, 2009
season0-10
今朝は酷い目覚めだ。
悪寒が走り、頭が重い。どうやら先日の無理な仕事がたたったらしく、
風邪をこじらせてしまったらしい。
一瞬Betteの事を思ったが、無駄に心配をかけても仕方がないし、
少し寝たら治るだろうと、一度かけようとした携帯を閉じ、再度ベッドに潜った。
…どの位眠っただろうか。
閉じられたままのカーテンから薄明かりが漏れているのを、Tinaはぼんやり見つめた。
ふと枕元に置いていた携帯が光っているのに気付く。
重い腕をもたげ、携帯を開く。Betteからだ。
どうやら何度も電話をくれたらしい。
・・・そういえば彼女と明日会う約束をしてたんだっけ。
そう、パーティーの準備と打ち合わせをしなくちゃならないのだ。
明日までに治す為にも、もう少し眠ろう・・・。
そう思った矢先、Tinaの携帯が鳴った。Betteからだ。
『Hi・・・』取った瞬間、Tinaは一気に目が覚める事となった。
『貴女、一体何をしていたの?今日はパーティーの準備をする日なのに。
何度もかけたのよ?』
いきなりの怒鳴り声に、頭がうまく回転しない。
置き時計に付いた日付を見て、Tinaは驚いた。
あたし・・・丸1日半眠っていたんだ・・・
立て続けにBetteがまくし立てた。
『Tee、貴女がそんな人だとは思わなかったわ。
だいたいこのパーティーは貴女の為に開くものなのよ。』
Tinaは、ようやく重い口を開いた。
『Bette・・・ごめんなさい。実は私、体調を崩してしまって、ずっと眠っていたのよ。
今、貴女の電話で目覚めるまで全く気付かなくて・・・ホントにごめんなさい。』
その言葉で、怒りの矛先をどこに向ければよいかわからなくなってしまったBette。
大きなため息をついた後、Betteは静かに口を開いた。
『なら、どうして私に連絡をくれなかったの?
私だって貴女に何かあったのかと心配していたのよ。で、身体は大丈夫なの?』
申し訳ないけど、もうしばらく眠らせて欲しい、それだけを告げてTinaは電話を切った。
1時間程眠っただろうか。チャイムの音でTinaは目を覚ました。
パジャマのままドアを開けると、そこにはBetteが立っていた。
『心配だから、今日はここに泊まるわ。』
自分の家の中で、Betteがキッチンに立っている。不思議な光景だ。
さっきの話を全くしないまま、Betteは黙ってSoupを作ってくれた。
風邪が移るかもしれない、、、
そんな事にはお構いなく、Betteは持ってきた着替えのパジャマを着せてくれた。
眠る前、Betteは一言だけTinaに告げた。
『いきなり怒鳴りつけてごめんなさい。
でも辛い時こそ、私を呼んで欲しかったわ。 もう、休みましょ。』
人の温もりを、愛としてかみ締めた瞬間・・・。
喜怒哀楽をハッキリ示すBetteが、逆にTinaには滑稽で、より愛おしく感じた。
悪寒が走り、頭が重い。どうやら先日の無理な仕事がたたったらしく、
風邪をこじらせてしまったらしい。
一瞬Betteの事を思ったが、無駄に心配をかけても仕方がないし、
少し寝たら治るだろうと、一度かけようとした携帯を閉じ、再度ベッドに潜った。
…どの位眠っただろうか。
閉じられたままのカーテンから薄明かりが漏れているのを、Tinaはぼんやり見つめた。
ふと枕元に置いていた携帯が光っているのに気付く。
重い腕をもたげ、携帯を開く。Betteからだ。
どうやら何度も電話をくれたらしい。
・・・そういえば彼女と明日会う約束をしてたんだっけ。
そう、パーティーの準備と打ち合わせをしなくちゃならないのだ。
明日までに治す為にも、もう少し眠ろう・・・。
そう思った矢先、Tinaの携帯が鳴った。Betteからだ。
『Hi・・・』取った瞬間、Tinaは一気に目が覚める事となった。
『貴女、一体何をしていたの?今日はパーティーの準備をする日なのに。
何度もかけたのよ?』
いきなりの怒鳴り声に、頭がうまく回転しない。
置き時計に付いた日付を見て、Tinaは驚いた。
あたし・・・丸1日半眠っていたんだ・・・
立て続けにBetteがまくし立てた。
『Tee、貴女がそんな人だとは思わなかったわ。
だいたいこのパーティーは貴女の為に開くものなのよ。』
Tinaは、ようやく重い口を開いた。
『Bette・・・ごめんなさい。実は私、体調を崩してしまって、ずっと眠っていたのよ。
今、貴女の電話で目覚めるまで全く気付かなくて・・・ホントにごめんなさい。』
その言葉で、怒りの矛先をどこに向ければよいかわからなくなってしまったBette。
大きなため息をついた後、Betteは静かに口を開いた。
『なら、どうして私に連絡をくれなかったの?
私だって貴女に何かあったのかと心配していたのよ。で、身体は大丈夫なの?』
申し訳ないけど、もうしばらく眠らせて欲しい、それだけを告げてTinaは電話を切った。
1時間程眠っただろうか。チャイムの音でTinaは目を覚ました。
パジャマのままドアを開けると、そこにはBetteが立っていた。
『心配だから、今日はここに泊まるわ。』
自分の家の中で、Betteがキッチンに立っている。不思議な光景だ。
さっきの話を全くしないまま、Betteは黙ってSoupを作ってくれた。
風邪が移るかもしれない、、、
そんな事にはお構いなく、Betteは持ってきた着替えのパジャマを着せてくれた。
眠る前、Betteは一言だけTinaに告げた。
『いきなり怒鳴りつけてごめんなさい。
でも辛い時こそ、私を呼んで欲しかったわ。 もう、休みましょ。』
人の温もりを、愛としてかみ締めた瞬間・・・。
喜怒哀楽をハッキリ示すBetteが、逆にTinaには滑稽で、より愛おしく感じた。
January 25, 2009
season0-9
それからのTinaの毎日は、とても充実していた。
BetteはTinaの仕事についても理解を示してくれたし、
会えない一人の時間も安心していられた。
以前は仕事に手が付かない程、彼女を想い、彼女の元へと走っていたが
今は不思議と逆だった。
仕事中は、仕事の事だけを考えて集中する事ができたし
キラキラと輝くTinaに、周りも気付く程満たされていた。
ある久しぶりの休日に、BetteはTinaを近所のカフェに連れていってくれた。
プラネットと言う名の、一見どこにでもある雰囲気のカフェだ。
実はそこは、ビアンのたまり場と呼ばれる場所らしい。
Betteの案内で、Tinaはいきなり彼女の友人を紹介された。
カフェのオーナーである、Marina。出版社に勤めるライターのAlice。
そして、美容師のタマゴであるShane。
初めて見る、Bette以外のビアンの仲間。
Betteと付き合うようになった元ストレートのTinaを、最初は少し敬遠していたAliceだが、
それでも、ShaneとMarinaは優しく迎え入れてくれた。
家族とは疎遠がちのようだが、Betteの周りには沢山の友達がいた。
職場にも堂々と自分のセクシャリティを話しているBetteは、
自分の部下にも会わせてくれたし、仕事場にも連れて行ってくれた。
普段、二人でいる時とは全く違うBetteの横顔がTinaにはとても眩しく映った。
その日・・・プラネットからの帰りの事だ。
Betteの家へ向かう際、ふと車を止めたBetteがこう切り出した。
『ねぇ、Tina。今度うちでパーティーを開こうと思うの。
改めて貴女を私の大切な仲間にきちんと紹介したいのよ。
それには、もう少し大きいSizeのBedや私達の、、、
そう、食器なんかを揃えなくっちゃって思うの。
だからその・・・私と、一緒に暮らさない?
信じて貰えないかもしれないけど、こんな事を言うのは、貴女が初めてなのよ・・・』
驚いた顔のTina。
でも次の瞬間には笑顔で満ち溢れていた。
そのTinaの笑顔に、Betteもようやく緊張がほぐれ、
笑顔が零れる。
二人は愛おしむように、そっと抱き合った。
その夜は、二人はいつも以上に満たされるSEXをした。
Betteに抱きしめられるだけで、全てが包まれた。
以前は感じていた、抱きしめると砂の城のように崩れて無くなりそうな
そんな感覚に襲われる事は、もうなかった。
・・・Betteの首筋に、手首にそっとKissする。
この香りがTinaは好きだ。
他には、感じた事のない思い。もう押し殺す必要なんてない。
解き放たれた鳥のように、全身で愛を感じ、愛を捧ぐ。
孤独を感じない悦び。
彼女に抱きしめられ、絶頂を迎える瞬間、Tinaはあの日運命的に出会った
自分たちを走馬灯のように思い出していた。
BetteはTinaの仕事についても理解を示してくれたし、
会えない一人の時間も安心していられた。
以前は仕事に手が付かない程、彼女を想い、彼女の元へと走っていたが
今は不思議と逆だった。
仕事中は、仕事の事だけを考えて集中する事ができたし
キラキラと輝くTinaに、周りも気付く程満たされていた。
ある久しぶりの休日に、BetteはTinaを近所のカフェに連れていってくれた。
プラネットと言う名の、一見どこにでもある雰囲気のカフェだ。
実はそこは、ビアンのたまり場と呼ばれる場所らしい。
Betteの案内で、Tinaはいきなり彼女の友人を紹介された。
カフェのオーナーである、Marina。出版社に勤めるライターのAlice。
そして、美容師のタマゴであるShane。
初めて見る、Bette以外のビアンの仲間。
Betteと付き合うようになった元ストレートのTinaを、最初は少し敬遠していたAliceだが、
それでも、ShaneとMarinaは優しく迎え入れてくれた。
家族とは疎遠がちのようだが、Betteの周りには沢山の友達がいた。
職場にも堂々と自分のセクシャリティを話しているBetteは、
自分の部下にも会わせてくれたし、仕事場にも連れて行ってくれた。
普段、二人でいる時とは全く違うBetteの横顔がTinaにはとても眩しく映った。
その日・・・プラネットからの帰りの事だ。
Betteの家へ向かう際、ふと車を止めたBetteがこう切り出した。
『ねぇ、Tina。今度うちでパーティーを開こうと思うの。
改めて貴女を私の大切な仲間にきちんと紹介したいのよ。
それには、もう少し大きいSizeのBedや私達の、、、
そう、食器なんかを揃えなくっちゃって思うの。
だからその・・・私と、一緒に暮らさない?
信じて貰えないかもしれないけど、こんな事を言うのは、貴女が初めてなのよ・・・』
驚いた顔のTina。
でも次の瞬間には笑顔で満ち溢れていた。
そのTinaの笑顔に、Betteもようやく緊張がほぐれ、
笑顔が零れる。
二人は愛おしむように、そっと抱き合った。
その夜は、二人はいつも以上に満たされるSEXをした。
Betteに抱きしめられるだけで、全てが包まれた。
以前は感じていた、抱きしめると砂の城のように崩れて無くなりそうな
そんな感覚に襲われる事は、もうなかった。
・・・Betteの首筋に、手首にそっとKissする。
この香りがTinaは好きだ。
他には、感じた事のない思い。もう押し殺す必要なんてない。
解き放たれた鳥のように、全身で愛を感じ、愛を捧ぐ。
孤独を感じない悦び。
彼女に抱きしめられ、絶頂を迎える瞬間、Tinaはあの日運命的に出会った
自分たちを走馬灯のように思い出していた。
January 20, 2009
season0-8
目覚めたのは、昼過ぎ。
先に起きていたのは、Betteだった。
Betteは、TinaにTinaの家族と会う決心を告げた。
少し早すぎるのではと、慌てた様子のTinaだったが、Betteの決意は固かった。
その気持ちだけでも、Tinaは充分嬉しかったのに。
BetteにそっとKissをされながら、Tinaは小さな不安と大きな安心に包まれていた。
運命と感じたのは、私だけじゃなかったんだ、、、と。
それからTinaは、もう一つの決意をする。
Ericだ。
彼に話をしなければ。
これ以上、自分に嘘をつく意味も無くなっていた。
数日後、TinaはEricを呼び出した。
『話があるの。』
それは、結婚を取りやめたいという話だった。
彼の両親にも既に会った後だったが、彼は快く受け入れた。
『もう少し、先延ばしにしたいんだね。仕事の都合が悪くなった?』
Tinaは少し間を置いて、彼の目を見つめ、こう話した。
『違うの。私達、もう一緒にはいられない。』
Ericは、取り乱すことなく、静かにTinaの言葉を聞いていた。
仕事を続けたいからか?いや、それは受け入れたはずだ。
ゆっくりとした混乱が彼を襲い始めた頃、Tinaは続けて話した。
『好きな人が出来てしまったの。』と。
どういう事なのか、相手がどんな人なのか、Ericは問い詰めた。
しかし、彼がどんなに問いただしても
『あなたが悪いんじゃない。私が全て悪いの。』
と、
その言葉を言うだけで、それ以上についてTinaは、一切語ろうとしなかった。
いつもより、仕事を早く切り上げたせいで、カフェの外はまだ明るかった。
外の空気が冷たいのかも解らない、そんな様子で立ち去ってゆくEric。
Tinaは彼の背中を見つめながら、この光景は一生忘れないだろうと思った。
それが、彼からの報復のように感じたからだ。
怒ったのは、親友のHannahだ。
Ericから事のいきさつを聞き、Tinaに怒りの電話をかけてきた。
何も言わず、一方的に別れを切り出したTinaに、Hannahが激しく詰め寄った。
『貴女には、本当の事を話すわ。』とTinaは静かに口を開いた。
Betteの事を、初めての想いを。
話を聞きながら、Hannahは電話口で泣いていた。
しかしそれは、Tinaへの同情ではなかった。
Tinaにも話していなかった、ある想いがあったからだ。
『貴女には、失望したわ。私は貴女を許すことは出来ない。貴女だから私は・・・』
その言葉には、憎しみにも似た、深い悲しみが満ち溢れていた。
女性に走った事も、勿論理解できない。
しかもそんな短期間で、長く付き合った彼を断ち切るなんて・・・。
彼の笑顔、彼の涙がHannahの頭を何度もよぎった。
Hannahに一方的に電話を切られたTina。
さすがに動揺し、折り返すが、Hannahは二度と電話には出てくれなかった。
随分経ってから、TinaはEricとHannahが結婚した事を知った。
その事実も、人づてに聞いたものだ。
何故彼女が、あの時自分を断ち切ったのか・・・。
Tinaは全てを知ったような気持ちになった。
例え自分の蒔いた種とはいえ、親友が、親友である前に、
一人の女性であったことを知ったショックは、計り知れなかった。
彼女は私を許さないだろう。
そして、私も彼女と二度と会うことはない。
地元のHannahと共通の親友のお父さんが亡くなった時も、Tinaは出席しなかった。
もう、会わないほうがいい。そう思ったからだ。
Tinaは親友を失った悲しみを背負ったまま、それでも真っ直ぐに
Betteの元へと向かっていた。
先に起きていたのは、Betteだった。
Betteは、TinaにTinaの家族と会う決心を告げた。
少し早すぎるのではと、慌てた様子のTinaだったが、Betteの決意は固かった。
その気持ちだけでも、Tinaは充分嬉しかったのに。
BetteにそっとKissをされながら、Tinaは小さな不安と大きな安心に包まれていた。
運命と感じたのは、私だけじゃなかったんだ、、、と。
それからTinaは、もう一つの決意をする。
Ericだ。
彼に話をしなければ。
これ以上、自分に嘘をつく意味も無くなっていた。
数日後、TinaはEricを呼び出した。
『話があるの。』
それは、結婚を取りやめたいという話だった。
彼の両親にも既に会った後だったが、彼は快く受け入れた。
『もう少し、先延ばしにしたいんだね。仕事の都合が悪くなった?』
Tinaは少し間を置いて、彼の目を見つめ、こう話した。
『違うの。私達、もう一緒にはいられない。』
Ericは、取り乱すことなく、静かにTinaの言葉を聞いていた。
仕事を続けたいからか?いや、それは受け入れたはずだ。
ゆっくりとした混乱が彼を襲い始めた頃、Tinaは続けて話した。
『好きな人が出来てしまったの。』と。
どういう事なのか、相手がどんな人なのか、Ericは問い詰めた。
しかし、彼がどんなに問いただしても
『あなたが悪いんじゃない。私が全て悪いの。』
と、
その言葉を言うだけで、それ以上についてTinaは、一切語ろうとしなかった。
いつもより、仕事を早く切り上げたせいで、カフェの外はまだ明るかった。
外の空気が冷たいのかも解らない、そんな様子で立ち去ってゆくEric。
Tinaは彼の背中を見つめながら、この光景は一生忘れないだろうと思った。
それが、彼からの報復のように感じたからだ。
怒ったのは、親友のHannahだ。
Ericから事のいきさつを聞き、Tinaに怒りの電話をかけてきた。
何も言わず、一方的に別れを切り出したTinaに、Hannahが激しく詰め寄った。
『貴女には、本当の事を話すわ。』とTinaは静かに口を開いた。
Betteの事を、初めての想いを。
話を聞きながら、Hannahは電話口で泣いていた。
しかしそれは、Tinaへの同情ではなかった。
Tinaにも話していなかった、ある想いがあったからだ。
『貴女には、失望したわ。私は貴女を許すことは出来ない。貴女だから私は・・・』
その言葉には、憎しみにも似た、深い悲しみが満ち溢れていた。
女性に走った事も、勿論理解できない。
しかもそんな短期間で、長く付き合った彼を断ち切るなんて・・・。
彼の笑顔、彼の涙がHannahの頭を何度もよぎった。
Hannahに一方的に電話を切られたTina。
さすがに動揺し、折り返すが、Hannahは二度と電話には出てくれなかった。
随分経ってから、TinaはEricとHannahが結婚した事を知った。
その事実も、人づてに聞いたものだ。
何故彼女が、あの時自分を断ち切ったのか・・・。
Tinaは全てを知ったような気持ちになった。
例え自分の蒔いた種とはいえ、親友が、親友である前に、
一人の女性であったことを知ったショックは、計り知れなかった。
彼女は私を許さないだろう。
そして、私も彼女と二度と会うことはない。
地元のHannahと共通の親友のお父さんが亡くなった時も、Tinaは出席しなかった。
もう、会わないほうがいい。そう思ったからだ。
Tinaは親友を失った悲しみを背負ったまま、それでも真っ直ぐに
Betteの元へと向かっていた。
January 14, 2009
season0-7
ここのところ、Tinaはずっと悩んでいた。
Betteは、会うと屈託のない笑顔で、いろんな話をしてくれる。
けれど、自分の話となると、つい口をつぐんでしまう。
この曖昧な自分の気持ちと微妙な関係に、出来る限り早く、決別したい。
でも・・・。
それには、彼女の気持ちを もう一度確かめる必要があった。
そして、自分自身の気持ちにも。
意を決して、Tinaは初めてBetteに連絡をした。
『あなたから電話を貰えるなんて。嬉しいわ。』
Betteは、会いたいというTinaに、快く時間をあけてくれた。
Betteの家は、LAの中でも一等地といわれる場所にある。
二人で過ごす時は、いつも必ずそこで会った。
今日は いつもと違い、足取りが重い。
場合によっては、ここへ来るのも最後になるかもしれない・・・。
夕暮れに赤く染まる空を、Tinaはうつろな目で見上げた。
そして小さなため息をつきながら、Betteの家のベルを鳴らした。
Betteは、笑顔で迎え入れてくれた。
その笑顔に、Tinaは少しだけ救われたような気がした。
Tinaをリビングにあるソファに導き、コーヒーを運んで来たBetteは、
彼女の隣にそっと座った。
なんだか、いつもより浮かない顔のTinaだ。
そんな彼女の雰囲気を察して、Betteにも不安が広がり始める。
『話があるの。』
乾いた喉を潤す為に、少しだけコーヒーに口を付け、
Tinaはゆっくりと切り出していった。
『貴女は、何度も私を愛してると言ってくれたわ。でも・・・
【Tinaは私を愛してると一度も言ってくれない。それは何故?】と
貴女は言ったわね。だけど今は私、貴女にその言葉を言う事は出来ないの。』
突然のTinaからの言葉に、Betteは驚きを隠せなかった。
『なぜ?彼を愛しているの?私達は惹かれ合っているんじゃないの?』
彼女は、私との別れ話を切り出すつもりだろうか。
プールサイドにあるオレンジの木が、妙にざわつき始める。
Tinaは今までBetteに話していなかった、自分の全てを打ち合けていった。
家族や仕事、友達、そして恋人。
結婚や出産に関する、今までの価値観について。
『…だから、気持ちだけで簡単に結論なんて出せないのよ』
Betteの表情が、優しい笑顔から、少しずつ曇り始める。
夕暮れはとっくに落ち、いつの間にか、二人のコーヒーは冷たくなっていた。
Betteは、何度もTinaに質問を投げかけた。
時に激しく、時に泣き出しそうな顔で。
Tinaは、そんなBetteに左右されないよう努めながら、
常に冷静に自分の考えを話していった。
ストレートと、レズビアンの考え方の違いをBetteは痛感した。
そんな事は、Tinaに言われずとも、頭では解っていた筈なのに。
彼女の中で困惑と謎語が、ぐるぐると渦を巻き始める。
そしてBetteは、複雑な表情を隠し切れずにこう言った。
『貴女はなぜ結果をそんなに急ぐの?貴女と一緒にいたい、今はただそれだけでは
いけないの?それに、貴女がどうしたいかを言ってくれなければ、話しは進まないわ。
だから…私もどうすればいいのか解らない・・・』
気付かぬ間に、カーテン越しに柔らかい光が漏れ始めていた。
陽射しが確かなものとして部屋を明るくする頃には、二人はついに言葉を失い、
外からは小鳥ののさえずりが、かすかに聞こえてきた。
長い沈黙の後、Betteは最後にもう一度、Tinaに尋ねた。
『貴女はどうしたいの?貴女は誰を愛してるの?Tina・・・お願いだから、答えて・・・』
うなだれていた首を重くもたげ、Tinaは、想いのたけを搾り出すかのように言葉を発した。
『私は・・・・・』
『私は・・・・・・・・・貴女を・・・・・・愛してるの、だから・・・』
そう言葉にするのがやっとだった。
次から次へと溢れるTinaの涙を、Betteは黙ったまま、
そっと優しく拭った。
彼女のその目からも、Tinaと同じ熱いものがこみ上げていた。
『もう、解ったわ。・・・少し眠りましょ。
これからのことは、もう一度二人でゆっくり考えればいいのよ。』
二人は、毛布のような優しい温もりを確かめるようにそっと抱き合い、
そしてそのまま少し眠った。
一方、Ericは、Tinaに黙ってTinaの親友(Hannah;ハンナ)と会う事にした。
3人で食事をした経験はあるが、実際に2人で会うのは初めてだ。
Ericから、Tinaの様子がおかしいと連絡を貰った時は、単なるマリッジブルー
じゃないのと笑うHannahだったが、Ericの神妙な声を察し、彼と会うことに合意した。
翌日、Hannahの職場の近くにあるカフェで、二人は待ち合わせをした。
彼の話しを聞くうち、Hannah自身もTinaに疑問を抱いてゆく。
そしてHannahが、Ericの代わりにTinaを探る約束をして二人は別れた。
January 11, 2009
season0-6
数日後、Tinaの職場に彼女から連絡が来た。
『貴女に・・・会いたいの。』
ストレート過ぎるその彼女の言葉に、Tinaは言葉を失った。
・・・ためらいは正直ある。Ericへの後ろめたさも。
でも、逢いたいという感情を、Tina自身も抑える事が出来なくなっていた。
彼女の事など何も知らないのに、惹かれるこの思いはどこからくるのか・・・
程なくして、Tinaは 生まれて初めて女性と関係を持った。
それは、Tinaが今まで生きてきた全ての根底を覆すような出来事だった。
不思議な事に、彼女がレズビアンだと知ったのは、彼女と関係を持った後だ。
彼女と出会って、明らかに自分が変わってゆく。。
彼女に触れられるだけで、全身に電流が走る。
肉体だけからくるものではない、痛いほどの悦び。あふれ出る想い。
恍惚の境地。
ほとばしる汗と共に迎えた激しい絶頂に、自分でも驚きを隠せずにいた。
一度越えてしまった一線は、単純に更なる欲望を求めてゆく。
・・・Betteに会いたい。
仕事も手に付かないほど、会う回数を重ねてゆく。
Betteと一緒にいる時間は、時が驚くほど速く過ぎてしまう。
どんなに仕事が楽しくても、どんなに人を愛しても、経験した事のない感情。
抱き締めても、追いかけても消えてしまいそうな時間。
Betteのしなやかな指先を撫でながら、Tinaは泣き出したくなる衝動に駆られた。
そして一人になると、更なる不安がTinaを襲う。
いっそこのままこの暗闇と共に、消えてしまいたいとすら思った。
結婚、という言葉が何度も脳裏をよぎる。
頭の中で自分に笑いかけてくるBetteとEricが、追い討ちをかけるように
Tinaの顔を苦痛に歪める。
Betteに逢いたい。けれど・・・。
彼女を選んでしまったら、結婚も出産も、私の家族も友達も
みんなを失ってしまうかもしれない。
そう・・・それに彼女にとっては私など、単なる遊びかもしれない。
でも、今の私にとって彼女を失う事は、自分の身を切り裂くより痛い事。。。
Betteの指先、首筋。私を呼ぶ声。。。
身体は疲れているはずなのに、心がBetteを求めてる。
寄せては返す、高波のような自分の感情に、自ら溺れてしまいそうだ。
私は、おかしくなってしまったのだろうか。
彼女の魔力に憑りつかれているだけ?それともこれが愛するという事?
今まで、普通の家庭・普通の家族を、当たり前に描いてきたTinaにとって
迷いは一層深くなるのだった。
Betteと関係を持って以来、Tinaは少しずつEricと距離をあけていくようになる。
後ろめたさもあった。
でも正直に言うと、彼には全く未練がなくなっていたのだ。
そんなTinaにEricは、少しずつ疑問を抱いていった。
こんなにTinaを愛しているのに、たまに会っても彼女は上の空だ。
寂しさから彼は、事務所の上司に見合いを勧められた事をTinaに笑顔で話した。
いいんじゃない?行ってみれば?
Tinaの何気ない言葉が、より一層、彼を傷つけてゆく。
もう、駄目かもしれない。不安の中、Ericは一人揺れていた。
『貴女に・・・会いたいの。』
ストレート過ぎるその彼女の言葉に、Tinaは言葉を失った。
・・・ためらいは正直ある。Ericへの後ろめたさも。
でも、逢いたいという感情を、Tina自身も抑える事が出来なくなっていた。
彼女の事など何も知らないのに、惹かれるこの思いはどこからくるのか・・・
程なくして、Tinaは 生まれて初めて女性と関係を持った。
それは、Tinaが今まで生きてきた全ての根底を覆すような出来事だった。
不思議な事に、彼女がレズビアンだと知ったのは、彼女と関係を持った後だ。
彼女と出会って、明らかに自分が変わってゆく。。
彼女に触れられるだけで、全身に電流が走る。
肉体だけからくるものではない、痛いほどの悦び。あふれ出る想い。
恍惚の境地。
ほとばしる汗と共に迎えた激しい絶頂に、自分でも驚きを隠せずにいた。
一度越えてしまった一線は、単純に更なる欲望を求めてゆく。
・・・Betteに会いたい。
仕事も手に付かないほど、会う回数を重ねてゆく。
Betteと一緒にいる時間は、時が驚くほど速く過ぎてしまう。
どんなに仕事が楽しくても、どんなに人を愛しても、経験した事のない感情。
抱き締めても、追いかけても消えてしまいそうな時間。
Betteのしなやかな指先を撫でながら、Tinaは泣き出したくなる衝動に駆られた。
そして一人になると、更なる不安がTinaを襲う。
いっそこのままこの暗闇と共に、消えてしまいたいとすら思った。
結婚、という言葉が何度も脳裏をよぎる。
頭の中で自分に笑いかけてくるBetteとEricが、追い討ちをかけるように
Tinaの顔を苦痛に歪める。
Betteに逢いたい。けれど・・・。
彼女を選んでしまったら、結婚も出産も、私の家族も友達も
みんなを失ってしまうかもしれない。
そう・・・それに彼女にとっては私など、単なる遊びかもしれない。
でも、今の私にとって彼女を失う事は、自分の身を切り裂くより痛い事。。。
Betteの指先、首筋。私を呼ぶ声。。。
身体は疲れているはずなのに、心がBetteを求めてる。
寄せては返す、高波のような自分の感情に、自ら溺れてしまいそうだ。
私は、おかしくなってしまったのだろうか。
彼女の魔力に憑りつかれているだけ?それともこれが愛するという事?
今まで、普通の家庭・普通の家族を、当たり前に描いてきたTinaにとって
迷いは一層深くなるのだった。
Betteと関係を持って以来、Tinaは少しずつEricと距離をあけていくようになる。
後ろめたさもあった。
でも正直に言うと、彼には全く未練がなくなっていたのだ。
そんなTinaにEricは、少しずつ疑問を抱いていった。
こんなにTinaを愛しているのに、たまに会っても彼女は上の空だ。
寂しさから彼は、事務所の上司に見合いを勧められた事をTinaに笑顔で話した。
いいんじゃない?行ってみれば?
Tinaの何気ない言葉が、より一層、彼を傷つけてゆく。
もう、駄目かもしれない。不安の中、Ericは一人揺れていた。
January 06, 2009
season0-5
仕事が軌道に乗り、華やかで忙しい日々を送るTinaに、Ericは再度結婚を申し込む。
仕事はもちろん続けてくれて構わない、という言葉に、Tinaは応える決心をした。
そんなある日、Ericが仕事をした美術館のイベントにTinaも一緒に出席する事となる。
知らない人達。いつもと違う、美術館の雰囲気。
慣れない緊張に、押し潰されそうになっていたTina。
『Tina、彼女が僕がお世話になった人だよ。』
もう帰りたい、そんな言葉を口にしようとしていた時、Ericから
とある女性を紹介された。
瞬間、Tinaはその女性を凝視した。
全身の血液が、頭の先へと逆流してゆくのを感じる。
・・・あの時の、彼女だ。
全てから逃れたくて、アジアに行った、あの時、あの美術館で見た、彼女。
キラキラと輝く彼女の瞳の中に、ぼんやり揺れる自分が写っている。
『初めまして。Bette Porterです。』
彼女の笑顔に、吸い込まれそうになる。足がガクガクと震えた。
なんだろう、この気持ち。今迄感じた事のない、この胸の高鳴り。
どうしよう…彼女から、目が離せない。
なのに、彼女に見つめられたら、目を見る事が出来ない。
あの日見た輝きよりも、数倍華やかで自信に溢れ応対する姿。
その場慣れした応対は、Tinaをより いたたまれない気持ちにさせるほどだ。
『あら、イヤリングが取れそうよ。』
泣き出しそうな気持ちのTinaへ救いを差し出すかのように、声をかけるBette。
優しい声だ。
彼女は、様々な肖像画を前に、細かく教えてくれた。
いつしか、周りに誰もいないかのように感じるほど、TinaはBetteの声に包まれていった。
その日の夜は、なかなか寝付けなかった。
彼女を思い返しては、一人ベッドの中で熱くなった。
・・・・・・この感情は、なんだろう・・・・・・
そう、考えながら。
翌日。
Tinaは、昨日付けていた、あのイヤリングを片方無くした事に気付く。
わざわざ取りに行かなくても平気なのに、取りに伺いますと美術館に電話をした。
彼女に逢える、そんな期待に自然と胸が膨らむ。
その事は、Ericに告げる事なく、美術館へと急ぐ。
無くしたイヤリングは、Betteが預かってくれていた。
『おかしいわね。あの時も付けてあげたのに。』
耳元で囁くBette。
胸の鼓動が高鳴ってゆく。
・・・違う。彼女は単に、イヤリングを付けてくれようとしているだけ。
なのに。
私は・・・何を期待しているの?
ふと、彼女がTinaに顔を近付けてきた。
え?何???
瞬間、彼女の唇がゆっくりと触れる。柔らかい唇。
彼女の甘い香りが、めまいを誘う。
・・・これは何?まるで時が止まったような。
全身の力が入らない。頭が真っ白になってゆく。
そして膝から崩れそうな感覚。身体中が熱い。
赤く火照った自分が、Betteの瞳にぼんやりと写っている。
私・・・・・・今・・・・・・KISSさ・・・れた?
Betteは、ニッコリとTinaに笑顔を向けた。
溶けそうな気持ち。嬉しくて叫びそうだった。
でも、、、私は・・・何をしているの???
この感情は・・・何なの???
仕事はもちろん続けてくれて構わない、という言葉に、Tinaは応える決心をした。
そんなある日、Ericが仕事をした美術館のイベントにTinaも一緒に出席する事となる。
知らない人達。いつもと違う、美術館の雰囲気。
慣れない緊張に、押し潰されそうになっていたTina。
『Tina、彼女が僕がお世話になった人だよ。』
もう帰りたい、そんな言葉を口にしようとしていた時、Ericから
とある女性を紹介された。
瞬間、Tinaはその女性を凝視した。
全身の血液が、頭の先へと逆流してゆくのを感じる。
・・・あの時の、彼女だ。
全てから逃れたくて、アジアに行った、あの時、あの美術館で見た、彼女。
キラキラと輝く彼女の瞳の中に、ぼんやり揺れる自分が写っている。
『初めまして。Bette Porterです。』
彼女の笑顔に、吸い込まれそうになる。足がガクガクと震えた。
なんだろう、この気持ち。今迄感じた事のない、この胸の高鳴り。
どうしよう…彼女から、目が離せない。
なのに、彼女に見つめられたら、目を見る事が出来ない。
あの日見た輝きよりも、数倍華やかで自信に溢れ応対する姿。
その場慣れした応対は、Tinaをより いたたまれない気持ちにさせるほどだ。
『あら、イヤリングが取れそうよ。』
泣き出しそうな気持ちのTinaへ救いを差し出すかのように、声をかけるBette。
優しい声だ。
彼女は、様々な肖像画を前に、細かく教えてくれた。
いつしか、周りに誰もいないかのように感じるほど、TinaはBetteの声に包まれていった。
その日の夜は、なかなか寝付けなかった。
彼女を思い返しては、一人ベッドの中で熱くなった。
・・・・・・この感情は、なんだろう・・・・・・
そう、考えながら。
翌日。
Tinaは、昨日付けていた、あのイヤリングを片方無くした事に気付く。
わざわざ取りに行かなくても平気なのに、取りに伺いますと美術館に電話をした。
彼女に逢える、そんな期待に自然と胸が膨らむ。
その事は、Ericに告げる事なく、美術館へと急ぐ。
無くしたイヤリングは、Betteが預かってくれていた。
『おかしいわね。あの時も付けてあげたのに。』
耳元で囁くBette。
胸の鼓動が高鳴ってゆく。
・・・違う。彼女は単に、イヤリングを付けてくれようとしているだけ。
なのに。
私は・・・何を期待しているの?
ふと、彼女がTinaに顔を近付けてきた。
え?何???
瞬間、彼女の唇がゆっくりと触れる。柔らかい唇。
彼女の甘い香りが、めまいを誘う。
・・・これは何?まるで時が止まったような。
全身の力が入らない。頭が真っ白になってゆく。
そして膝から崩れそうな感覚。身体中が熱い。
赤く火照った自分が、Betteの瞳にぼんやりと写っている。
私・・・・・・今・・・・・・KISSさ・・・れた?
Betteは、ニッコリとTinaに笑顔を向けた。
溶けそうな気持ち。嬉しくて叫びそうだった。
でも、、、私は・・・何をしているの???
この感情は・・・何なの???